市販薬の飲み過ぎで女子高生が死亡。あなたの家庭でも起こり得るオーバードーズ問題を吉田たかよし医師が解説

市販薬の飲み過ぎで女子高生が死亡。あなたの家庭でも起こり得るオーバードーズ問題を吉田たかよし医師が解説

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オーバードーズ(overdose)とは過量摂取という意味。今月12日、滋賀県のアパートで女子高生が遺体で発見されるという痛ましい事件が起きた。死因は覚せい剤でも麻薬でもない、市販薬の飲み過ぎ(オーバードーズ)だった。
今、若い世代を中心にオーバードーズに手を染め、大変危険な状態になっている人が増加している。吉田たかよし医師が院長を務めるクリニックの心療内科でも、こういったケースが増えているという。

市販薬を飲み過ぎると、どのような状態になるのだろうか?

医者が出す処方箋と違い、市販薬は基本的に安全な薬だけが選ばれているが、どれだけ安全でも薬である以上飲み過ぎは危険と隣り合わせとなる。
現在、社会問題しているのは一部の薬を大量に服用した場合に、覚せい剤や麻薬に似たような作用が表れることだ。薬が切れると禁断症状や依存症状が強くなり、より多く使用したくなる。滋賀の事件のように最悪の場合は死亡にも至る。
しかし、多くの人がその危険性を知らず気軽な気持ちで手を染める。市販薬でそうした症状が表れるのは、市販薬の成分の中にも化学構造が覚せい剤と麻薬に似ているものがあるからだ。

市販薬は使用量を守れば脳に快感が生じることは絶対ない。依存症になることもない。臨床試験のデータとして裏付けられているから安心して使用量を守り服用して欲しい。しかし、使用上の注意を読まずに適量を大幅に超えて服用し続けると脳のシステムが破壊される恐れもあるのだ。
私たちは食事や仕事、お風呂など日常生活で快感を得るのだが、薬で快感を得られるということになると、その快感の方が日常生活の行動よりも勝ってしまうため、日々の生活の中では何に対しても気力が起きなくなってしまう。

脳の情報伝達が薬物でかく乱されるので、幻聴が聴こえたり、幻覚が見えたり、錯乱行動をとるなどの重大な結果を引き起こしてしまう。

実は、ある面では市販薬は違法薬物より危険な側面もある。なぜなら市販薬に様々な成分が入っているために、違う成分の過剰摂取で死亡することがあるからだ。例えば風邪薬には眠気を抑えるためにカフェインが入っている。コーヒーなどで普通に摂る分には健康に害がないものの、オーバードーズになっている人の飲み方は、その接種量も異常なため、結果的にカフェインの過剰摂取となり、心臓の鼓動がかく乱され、不整脈が起き、死亡することもある。
また、アセトアミノフェンという解熱剤も風邪薬によく入っているが、過剰摂取すれば肝臓が壊死して死亡する。

どうして、オーバードーズの人は増えているのだろうか?

吉田たかよし医師はこう見る。
若い世代は、昔も今もナイーブでデリケート。心が過敏になっていてこうした薬に頼ろうとする面も否定はできないが、何といってもインターネットを通して買いやすくなっているから。市販薬のオーバードーズをする仲間も広がっている。ドラッグストアでは、現在、1人では一度に大量に購入はできない規制があるが、ネットを利用すれば全国のストアから重複して購入することが簡単にできる。
もし、家族がオーバードーズだと気づいたらいきなり叱るのではなく、まずは悩みを訊いてあげて欲しい。それから、病院で内臓とメンタルの診察を受けることで事態を改善させて欲しい。首都圏では依存症に関する各種の窓口を設けており、市販薬の依存症の相談にも応じてくれる。
一人だけで悩まず、家族だけの問題にせず、まずは行政など各窓口に問い合わせて、解決の道筋を探して欲しい。

「斉藤一美 ニュースワイドSAKIDORI!」で毎週水曜日に放送している「吉田たかよし SAKIDORIクリニック」。2022年もぜひ聴いて欲しい。医学の役立ち情報が満載だ。

『斉藤一美ニュースワイドSAKIDORI』は平日午後3時30分~5時50分、文化放送(AM1134KHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。
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