アナ歴40年!野村邦丸が様々なエピソードを語る連載企画㊹

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【野村邦丸 ワタシの履歴書 ~アナウンサー歴40年記念特別連載企画~】

『第44回 日本一有名なDJのクニが、オープニングMCをやってくれるそうだ!』

来日するたびに、私の番組に顔を出して
くれるようになったシカゴのメンバーたち。

2016年1月、いまのところ最後の来日時にも、
もちろんスタジオに来てくれました。

東京ではコンサートの予定がなく、
いちばん近いのが横浜だったので
「じゃあ、パシフィコに行かせてもらいますから」
とロバート・ラムさんに言ったら
「その前に大阪でもコンサートがあるよ。
土曜日だから来られるだろう? 大阪で待ってるよ」って。

そう言われたら、行かないわけには行きません。
もちろん新幹線に乗って、現地まで出かけてきましたとも。

そして5日後、いよいよ横浜公演の前の日。
「川崎のホテルで、しゃぶしゃぶパーティーを
やるから、クニマルも来なさい」と、なんとも嬉しいお誘いが。

会場に行くと、待ち構えていたロバートさんが
「クニ、クニ、ここだ」と、目の前の席に案内してくれたんです。

とはいえ、通訳はいない、ロバートさんは酒を一滴も飲まない(汗)。

気を遣って話しかけてくれるんだけど、ちっとも会話は弾まない…。

いやいや、こんな事じゃイカン! 人生一度しかないのに。
幸いなことに、マネジャーさんは酒好きで、
二人でガンガン飲むうちに、気が大きくなってきて、
なぜか言葉が通じないのに、ロバートさんと私は音楽談義を始めて…。

いやはや、酒の力というのは偉大なモノですな。

さらに気が大きくなってきて、
私はロバートさんに
「コンサートのオープニングのMC、陰アナをやらせてくれませんか?」って、
頼んでみちゃったんです。
ダメ元で。

ロバートさん、一瞬怪訝な顔をしてましたが、
すぐに「sure!」と快諾。

「おいみんな、明日はクニがオープニングのMCを
やってくれるって。
彼は日本で一番有名なDJなんだぜ!」

そんな場合、私にできることといえば、
さらにガンガン、酒をあおるだけ…。

そのうち「試しにここでやってみろ」とロバートさんが恐ろしいことを言い出しました。

しかしアルコールの素晴らしい効果で、
私は気が大きくなっていましたから、
「レディーズ・アンド・ジェントルメン、プリーズ・ウェルカム…シカゴ!」
大音声で呼ばわりましたとも。

「オーケー!」周囲からはヒューヒューと掛け声、大絶賛。
思い出しただけでも涙が出てくるような経験でした。
きっとこの先一生、忘れることはないでしょう。

そして迎えた翌日、本番。
我々は「くにまるジャパン探訪」の取材で崎陽軒の工場に
お邪魔した後、パシフィコ横浜に移動。

西川文野君が一緒に来て、バックステージでケータリング
の模様などをリポートしてくれました。

やはり一流アーティストともなると、
そのあたりもお金のかけ方が違います。

仕出し弁当なんてどこにもなくて、一流ホテルか何かの
ビュッフェ形式ですよ。

楽屋からは、メンバーが奏でる楽器の音が聞こえてくるし…。
とはいえ、私は来るべき本番に備えて、そんな雰囲気をエンジョイするどころではありません。

ヒマさえあれば、MCの文句をブツブツと自主練。
最初のアナウンスが決まらないと、お客様たちが
そのコンサートにスムーズに入っていけないわけですから、責任重大です。

そして、いよいよ、その時がやってきました…。

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野村邦丸:1957年1月17日生まれ。川崎生まれ、
日大明誠高校・日大法学部新聞学科を経て
1981年茨城放送入社。
フリーを経て1991年文化放送入社。2017年定年退職、
再びフリーとなる。
「くにまるジャパン極」パーソナリティ。
家族・高校野球・シカゴ(ロックバンド)、
そして酒と肴をこよなく愛する。
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