伊藤惇夫「政治家は言葉をすり替えることで我々を騙していないか?」

伊藤惇夫「政治家は言葉をすり替えることで我々を騙していないか?」

Share

ここ最近、耳にする防衛装備移転三原則。武器輸出三原則で覚えていたのに、いつのまにか防衛装備移転三原則という名前に変わっていて驚いた人もいるのではないだろうか?
3月10日放送の「くにまるジャパン極」(文化放送)では、政治アナリストの伊藤惇夫氏が、防衛装備移転三原則をきっかけに、言葉をすり替えて実態を覆い隠している言葉について話した。

伊藤「私の頭の中で武器輸出三原則が気が付いたら防衛装備移転三原則に変わってるんですね。言葉の上ではたいした違いがないように見えますけど、武器を防衛装備に変えるということは、防衛装備だから武器じゃないよ、だから輸出しても良いんだよという風に持っていこうとする意図がどうしてもちらつくんですね。これが1つの例なんですけど、言葉をすり替えることで、中身や中身の意図するものを隠したり、あるいは一般の皆さんにわからないようにしてしまう、そういうすり替えが最近増えている気がするんですね。思い返してみると安倍政権下が一番頻繁に行われたんじゃないかという気がします」

中でも有名なのが、平和安全法制という言葉だ。

伊藤「我々は安保法制と言ってたんですが、いつの間にか平和安全法制になってるんですね。中身は何かというと、これまでの憲法解釈をガラッとひっくり返して、集団的自衛権を認めるという方向に動いたわけです。要するに一定の条件下であれば、米軍とともに自衛隊が海外に出動することを認めるという内容になっていると考えて良い。もし自衛隊が海外に出向いて戦闘行為に関わるとしたら、場合によっては大きな危険を伴う。むしろ平和という言葉とは正反対の状況が生まれる可能性もある。平和と安全を守るための法制なんですよと言われるとそうなんだと思う方はたくさんいらっしゃると思うんですよね。ですが、実態は平和と安全を脅かす1つの要因になるかもしれない」

他にも「外国人材」「IR」でも同じことが言えるという。

伊藤「実質的には、移民政策だと思うのですが、移民を外国人材という言葉に置き換えている。カジノ誘致だと聞こえが悪いからIRという言葉を使っている」

もう1つ、今回のウクライナの問題から、伊藤氏が思い出した言葉があるという。

伊藤「共同経済活動という言葉。安倍総理の時代に、北方四島のうち二島を返して欲しい、返してもらって日露平和条約を締結して、安倍外交の成果にしたいということで前のめりとなった中で、ロシアとの間で結んだ約束ですね。シベリアで共同で経済活動を展開しましょうということなんですが、実態はロシアへの貢物。3000億円ものお金をロシアにあげたんですよ」

最後に伊藤氏はこうした政府の言葉のすり替えの危険性を訴える。

伊藤「要するにすり替えて実態を隠す。実態を誤解させるような方向に持っていくというのは、最終的に国民を騙す行為だと私は思うんです。やっぱり政治は、正確に誠実に言葉を使う。これが一番大事なことじゃないかな。言葉のすり替えはぜひ今後はなくして欲しいなと思いますけどね」

「くにまるジャパン極」は平日朝9~13時、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。伊藤惇夫氏はコメンテーターとして毎週木曜に登場。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

で開く

※タイムフリーは1週間限定コンテンツです。
※他エリアの放送を聴くにはプレミアム会員になる必要があります。

Share

関連記事

NOW ON AIR
ページTOPへ