経営陣が掲げたパーパス経営に困惑!?どう捉えるのが正解か『長尾一洋 ラジオde経営塾』4月18日(月)放送

経営陣が掲げたパーパス経営に困惑!?どう捉えるのが正解か『長尾一洋 ラジオde経営塾』4月18日(月)放送

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約8,000社の企業に携わってきた経営コンサルティングのエキスパート長尾一洋社長が、今週も悩めるビジネスマンのご相談に回答しました。
今回は昨今話題の"パーパス(purpose)"について。「経営陣の掲げたパーパスに、メンバーが困惑気味…」という会社員の方からのご相談です。

■スポーツ/レジャー関係会社員『経営陣の定めたパーパス(purpose)に困惑気味です…』
昨今よく耳にする”パーパス(purpose)”についてのお悩みを寄せてくれたのは、ラジオネーム『エウーシ応援団』さん。プロフィールとご相談は以下のとおり。
・会社員
・スポーツ/レジャー関連企業勤務

「最近よくパーパスという言葉を耳にします。当社もご多分にもれずパーパスを定め社内外にリリースされましたが、いまいち浸透しているように思えません。
経営陣の意図はわかるものの、”当たり前といえば当たり前”という気持ちもあり、どう捉えていいか困惑するメンバーも…。パーパスの理解と浸透についてアドバイスをお願いします(一部略)」
パーパス経営を掲げる経営陣と、社内メンバーの間に温度差があるようです。
MCの八木アナも「ビジョン、ミッション、パーパスと乱立しているような印象で。どう区別するかわからない部分があるんですが…」と、ちょっと戸惑い気味だとか。


長尾社長はどのように回答したのでしょうか?

■purpose=目的?そもそもパーパス経営って何だろう
パーパス経営とは、直訳すると”目的経営”。
「そのまま言えば”企業の目的は何か”ということ。”存在意義”と説明する場合もありますが、どっちにしてもわかりにくいですね(笑)」と話し始めた長尾社長。パーパスはいわゆる”ミッション”とニアリーイコールと考えられると言います。
ミッション=使命感、パーパス=目的。端的に言えば、どちらも「何のために」を定めて経営するということです。

■「SONYがやっているからやる」は正しい?

パーパス経営で話題となったのがSONYグループ。2019年に『クリエイティビティとテクノロジーの力で、世界を感動で満たす。』というパーパスが掲げられ、パーパス経営流行の発端ともなりました。

しかし「SONYがやっているから…」と、どんな会社でも同じように策定を行うことに意味はあるのでしょうか?
長尾社長の見解では、SONYグループのパーパス策定には、グローバルに展開する上場企業だからこそ、アメリカを中心とする世界の潮流を無視できない背景もあるのでは…とのこと。ESGやSDGEsなどのキーワードも含め、グローバル企業にはトレンドに添った情報発信が不可欠です。
しかしドメスティックで活動する中小企業の場合、状況は同じとは言えません。パーパス策定自体は良いことですが、そのニュアンスや踏み込み具合は違っていいと長尾社長は考えます。
■具体的な行動あってこそのパーパス
ご相談のようにパーパスの浸透や理解が十分で無い場合はどうすればいいのでしょうか。
長尾社長はパーパス(ミッション)をビジョンとセットにすることが重要だと言います。目的に照らしてどんなビジョンを描くのか、自社なりのストーリーを明確にすること。
根本的には「これはパーパスに基づいた行動だ」と社内が納得するような、具体的な取り組みが必要です。例えば「ウチはこういうパーパスだからこんな事業をやる」「こういう商品を出す」など。
綺麗事だけを掲げると「いや、ウチの会社変わってないじゃん!去年も今年も同じ、来年も同じことやるらしいけど、急にパーパスってのが出てきて…」という残念な事態になってしまいます

■百戦錬磨のコンサルタントだからこそ言えること

パーパス、ミッション、ビジョン、バリュー…横文字の流行語の乱立も混乱の原因になっているかもしれません。
「我々(コンサルタント)も当然こういうのが出てくると使いたくなるんですよ(笑)」と長尾社長。流行語は、どこかのコンサルティング会社が考えて出しているものと思われるので、あまり踊らされないようにしたらいいですよ…と、歴戦の経営コンサルタントならではのアドバイスも飛び出しました。
コンサルティング会社が使いやすい用語はブームになりがちですが、自社にとって実際どんな意義があるかを良く考えて取り組むことが大切です。

■「世のため人のため」は良いことなので…

パーパスには一般的に”世のため人のため”となる内容が盛り込まれるもの。本来的には、パーパス策定は良いことだと長尾社長は言います。
「たしかに会社のミッションやパーパスを理解して、どういうふうに自分たちが動けばいいのか考えていくのは重要なことですね」と八木アナもしみじみ納得し、回答が終了しました。

■『エウーシ応援団』さんへの回答まとめ
・パーパスはミッションとほぼ同じ。
・パーパス(ミッション)はビジョンとセットで。目的に基づいた、独自の、具体的な取り組みなくば、社内外への浸透は難しい。
・グローバル企業がパーパスを掲げるのは、アメリカを中心とした潮流を無視できない背景も。ドメスティックで活動する企業が、表面だけを真似しても意義は薄い。
・「世のため、人のため」をパーパスに掲げるのは、本来的には良いこと。流行語に踊らされるのではなく、本質的な取り組みを。


■長尾社長へのご相談を募集中!
リニューアルした『長尾一洋 ラジオde経営塾』では、パーソナリティ長尾一洋へのご相談やメッセージを募集しています。
お仕事のお悩みや、経営戦略のご相談などに長尾一洋が番組内でじっくりご回答いたします。

 

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