『大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ』 子供が巣立っても困らない家づくりって?

『大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ』 子供が巣立っても困らない家づくりって?

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情報番組「大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ」では、残間里江子さん(フリープロデューサー)と、大垣尚司さん(青山学院大学教授、移住・住みかえ支援機構代表理事)が、お金や住まいの話を中心に、大人世代のあれこれを語ります。

この連載は、番組内の人気コーナー「おとなライフ・アカデミー2022」の内容をもとに大垣さんが執筆した、WEB限定のエッセイ。ラジオと合わせて、読んで得する家とお金の豆知識をお楽しみください。

子供が巣立っても困らない・寂しくならない家は?

今回は、家の購入を検討されている子育て世代の方からメールをいただきました。

小学生の男の子が二人。
そろそろ家を買おうかと思っています。

「老後、2階は使わないで暮らしている」
なんていう人の話を聞くたびに

子供が巣立った後、困らない、そして寂しくならない
ような家って無いのかなぁと考えています。

アドバイスをお願いします。

新京成登山鉄道 さん(千葉県船橋市・男性)

育児が終わったら住み替えるのが理想かも

うーん・・・。
そんな家、ないかも(笑)。

個人的には、人生のステージが変わったときは、住み替えることを視野に入れてほしいと思っています。

というのも、子育て期に家を購入するときは、家族が大きくなっていくことを想定しますよね。

・学校に近い
・親が通勤しやすい
・部屋数を確保できる

というようなことが必須の条件となる方が多いのではないでしょうか。

しかし、そういう地域が、定年退職後の暮らしに必ずしもフィットするとは限りません。特に部屋数なんかは、夫婦二人で暮らすことを考えると、むしろ使いこなせず余ってしまうケースもあるでしょう。

最近は、増築ならぬ「減築」を売りにしている住宅メーカーさんもあるようですが、どんな家でも減築ができるわけではありません。

なにより、減築をしても場所は変えられません。

家の買い替えはかなり大変

それでは、今の家を売って新しい家を買えばよいのかというとそうでもありません。育児が終わってから家を買い替えることって、それなりに大変です。

まず売却は難しいですよね。
たとえば、住宅購入から20年目のタイミングでお子さんが独立されたとしましょう。
築20年の家は、残念ながら売却では二束三文になってしまいます。

また、借りて20年ぐらいですと、まだローンの残高がかなり残っていますので、売っても代金でローンが返しきれない状態になることが少なくありません。

賃貸に出す? ローン残高よりも安い家賃になるかも・・・

では、売却をせずに賃貸に出したらどうでしょう。

賃貸でネックとなるのは
・家賃が月々のローン返済額を上回るか
・入居者がずっと入っているかどうか
という2点でしょうか。

たとえば(一社)移住・住みかえ支援機構では、入居者がいない空室時でも賃料を支払う賃貸制度「マイホーム借上げ制度」を運用しています。

しかし、この制度を使って毎月の収入が確約されたとしても、家賃が月々のローン返済額を上回るかどうかは分かりません。

残価保証の仕組みを使ったローンなら、老後の住宅買い替えも視野に

そこで、これから家を買う方にぜひおすすめしたいのが、同じ(一社)移住・住みかえ支援機構が昨年スタートさせた「残価保証」の仕組みです。

これは、家を賃貸に出したときの価値を数値化し、将来にわたって保証するもの。
売却価値とは異なり、賃貸価値を数値化することで、長期間、安定した価値が保証できるのですね。

この仕組みを利用した金融機関の住宅ローンであれば、住宅購入後およそ20年目ほどのタイミングで、返済額が大幅に圧縮された住宅ローンに借り換えることが可能です。

モデルケースでは、月々の返済額が10万円ほどの35年ローンを返済していた場合、3〜4万円ほどに減らすことができます。

この制度を利用した上で、その家を賃貸に出した場合、ほとんどのケースで、月々のローン返済額を家賃が上回ります。

家を人生に合わせるのではなく・・・

残価保証の他にも、リバースモーゲージやリースバックなど、退職後を豊かに暮らすための住宅金融商品は、近年になって開発・商品化が進んできています。

家を人生に合わせるのではなくて、人生に合うような家の持ち方を考えると良いのかもしれません。

ちなみに、お便りでは、子供が巣立ったあと寂しくならないような家についてもご質問がありましたが・・・。

これは、家の間取りや場所は関係なく、夫婦で仲良く過ごされることが一番ではないでしょうか(笑)。

そんなわけで今回は、退職後の家づくりについて考えてみました。
お便り、ありがとうございました。

※この記事で掲載されている情報は全て、執筆時における情報を元にご紹介してい
ます。必ず最新の情報をご確認ください。

お知らせ

パーソナリティの一人である大垣尚司さんが代表理事を務める一般社団法人「移住・住みかえ支援機構」(JTI)では、賃貸制度「マイホーム借上げ制度」を運用しています。

住まなくなった皆さまの家をJTIが借り上げて、賃貸として運用。
入居者がいない空室時でも、毎月賃料を受け取ることができます。
JTIは非営利の公的機関であり、運営には国の基金が設定されています。

賃料の査定や、ご相談は無料。資格を持ったスタッフが対応いたします。

制度についての詳しい情報は、移住・住みかえ支援機構のサイトをご覧ください。

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楽しいセカンドライフを送るためのご提案などがたっぷり! 金融・住宅のプロフェッショナル大垣尚司と、フリープロデューサー残間里江子が 大人の目線でお届けします。…

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