政府「新しい資本主義」の実現計画を発表 NISAとiDeCoを拡充、投資促す

政府「新しい資本主義」の実現計画を発表 NISAとiDeCoを拡充、投資促す

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6月1日放送の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)は、政府が5月31日に公表した「資産所得倍増プラン」について、番組パーソナリティーの寺島尚正アナウンサーが水曜コメンテーターの経済アナリスト森永康平氏に意見を聞く場面があった。

森永氏「まずは賃金を上げるべき」

5月31日の経済財政諮問会議で、岸田文雄首相は経済財政運営と改革の基本方針、いわゆる「骨太の方針」について、「官民が課題解決に向けた投資と改革を実行して、成長と分配の好循環を実現する」と述べた。この日、政府は経済政策「新しい資本主義」の実行計画案を公表。家計資産を貯蓄から投資へ促す改革のほか、成長戦略にも目配り。人への投資や科学技術、スタートアップ、脱炭素・デジタル化に重点を置いた。

実行計画は「新しい資本主義」を掲げる岸田首相の経済政策の具体策となる。岸田首相は就任前の自民党総裁選で新自由主義的政策の転換を訴え、分配政策を重視する姿勢を示していた。「資産所得倍増プラン」を年末につくる。その中で、投資促進策として少額投資非課税制度(NISA)や個人型確定拠出年金(iDeCo)の拡充を検討するという。

NISAとiDeCoの拡充について、森永氏は「これを行うこと自体にはまったく反対しないですし、批判する気はありません。ただ、明らかに進める順番が違うのではないかと思います。投資はリスクを取るからリターンがあるもので、やれば必ず儲かるものではない。投資をできる余裕がある人は自己責任の下で行えば良いと思います。資産形成は大事なことだと思うので、そこに対して非課税枠を広げたり支援したりして投資を促していくのはアリだと思います」とコメント。

さらに、森永氏は「その(NISAやiDeCoの拡充策)前に考えるべきことは、ずうっと賃金が上がっていないということ。雇用形態が不安定な人も増えていますし、コロナ禍において解雇されてしまった方や休業状態に追いやられてしまっている方がたくさんいるので、まずはその人たちをどう救っていくのか、国民の賃金をどうやって上げていくのかを考えるべきではないでしょうか」と指摘した。

「みんなに余裕が生まれた状態で初めてこういう制度を拡充させて、やりたい人はやってくださいというようなステップを踏むべきであって、いきなり投資の部分だけを拡充して『新しい資本主義』と言うのは若干、無責任じゃないかなと思います。ここだけ手をつけてしまうと、例えば数年後に貧しい人たちが出てきた時に、『あなたたちが自分で投資しなかったからですよね』というナゾの自己責任論に発展しかねない。なので、ここの拡充策に対しては否定しませんが、その前にやることがあるんじゃないのと強く言いたいですね」と、森永氏は「賃上げ優先」を強調した。

「おはよう寺ちゃん」は平日朝5~8時、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。 radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

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