大沢在昌、新刊『晩秋行』に「こういうのも読んで」。過去を引きずる男を描く新境地

大沢在昌、新刊『晩秋行』に「こういうのも読んで」。過去を引きずる男を描く新境地

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6月29日「大竹まことゴールデンラジオ」(文化放送)、大竹メインディッシュのコーナーに作家の大沢在昌さんが登場。今月発売された新刊『晩秋行』について、「こういうのも書きたかった」という思いを明かした。

大沢さんは2日前にゴルフで日焼けをし、その焼け具合をスタジオの大竹まこと、壇蜜からイジられていた。大沢さんが心理テストに答えたり、最近の編集者との関係について語ったり、スタジオでは談笑が進む。そして新刊『晩秋行』の話題へ。

壇蜜「女性のしゃべり方がいちいち色っぽいというか」

大沢「書いていていちばんおもしろかったのは男の未練がましさ、情けなさ。女の潔さ、前へ進む感じ。前だったらもっとロマンチックにしたかったものが、この歳になったらもう『赤裸々に書いてしまえ』と思って。『あいつはまだ俺に惚れている』『そんなわけないでしょう』というのが書けた」

壇蜜「『上書き』をどんどんしていく女性として見てはいたんですけど、やはり色香が漂うというか。そういうのがにじみ出ているので、女は上書きだけじゃないですよ、って言いたかった(笑)」

大沢「そこら辺は小説だからね……。読んだ女性がみんな『そんなことないよ』『昔の男のことを憶えている女もいるよ』と言うんですよ」

壇蜜「男の人は違うんですか?」

大沢「男はずっと引きずるでしょう。大竹さんを見てくださいよ。長い付き合いで、奥さまは僕のファンですけど、大竹さんは僕の本を褒めたことがないんです。それがこの本は刺さったと。それは明らかに過去の女の思い出が刺さっているってことですよ」

大竹「そういうことじゃないんですよ(笑)。もう宣伝しなくていいでしょう。この本、売れるんだから。ただいままでの大沢さんの作品とは流れが違う」

大沢「そうですね。アクションも少ない、地味な話だから、従来の僕のファンが『物足りない』『なんだ、こんな本出して』と怒らないかという不安はあります。もっとドンパチしろ、という人もいると思うんですよ。ただこういうのも書きたかったし、こういうのも読んでよ、という感覚ですね」

大竹「いまから30年前のバブルの最中に起きたことを。いろんなことがあったんだけど、それを引きずって、そこから離れられないまま居酒屋で暮らしている男の(物語)」

大沢「お金もそんなに残らず。食べ歩きの知識で、素人ながらに居酒屋を始めて。ただ30年前に結婚まで考えた女(君香)が、自分のボスとともに消えてしまった。俺に隠れて付き合っていたのか、なぜ俺を捨てて消えてしまった。答えを得られないまま悶々としている。その女がどうやら生きているらしい、とっくに心中していると思ったら。……なんだかうれしそう(笑)」

壇蜜「やっぱりあるんだ」

大竹「いやいや(笑)。この本にクールな、スナックやっている女も出てくるんだけど。その子が、メソメソしている男を蹴落とすようなことを途中途中で言っていく」

大沢「壇さんみたいにね。上書きするのよ、男はチョロいわよ、と」

壇蜜「それだけじゃないのに(笑)」

銀座や六本木で「取材費」をかけたと語る大沢さん、2個所の違いも教えてくれた。

大沢「いまはどうなのかわからないけど、いちばん飲み歩いていたころ、いまから25年ぐらい前か。銀座はお金や地位でモテる人もいた。六本木はお金があるうえで格好いいとか、プラスアルファがないとモテない。六本木のほうがシビアに見ていた」

「大竹まこと ゴールデンラジオ」は午後1時~3時30分、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。 radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

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