ADHDとは? ASDとの違いは? 治療方法は? 精神科医・西井重超さんが詳しく解説

ADHDとは? ASDとの違いは? 治療方法は? 精神科医・西井重超さんが詳しく解説

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8月4日「西川あやの おいでよ!クリエイティ部」(文化放送)は「改めて理解したいADHD」と題し、様々な場面で見聞きするADHDについて特集した。「はたらく人・学生のメンタルクリニック」の精神科医・西井重超さんが出演し、詳しい説明を聴かせてくれた。

西川あやの「ADHDとはどういうものなのでしょうか?」

西井重超「『不注意』『多動衝動』この2つの脳の特徴からなる発達障害といわれています。特徴は多動がどう、不注意がどう、という話なんですが。忘れ物をたくさんする、部屋が片付けられない、ケアレスミスが多い。あとは集中力が続かない、勉強に15分ぐらいで飽きてしまうとか。多動衝動でいえばすぐに席を立ちたくなったり、冷蔵庫を開けたくなったり」

西井さんによれば「不注意」「多動衝動」のどちらかの項目を満たすだけでもADHDに分類されるという。自身がADHDかもしれない、という入山からはこんな質問が。

入山章栄「発達障害だと『ASD』というのもよく聞くんですね。オードリー・タン、イーロン・マスクらも告白している。ADHDとの違いは?」

西井「シンプルにいえばADHDは『不注意』『多動衝動』という項目。ASD、自閉スペクトラム症というんですけど、これはコミュニケーションが苦手だったり、空気が読めなかったり。あと『共感しにくい』。文化祭でみんながワッと盛り上がっている中、距離を感じるとか。ただ独特でユニークな考えは持っているので、それを活かして社会でうまくやっている方もおられます」

さらに西井さんによれば、ADHDやASDはハッキリと区別できるものでもないそうだ。

西井「病気にも『あるか・ないか』の病気とグラデーションの病気があります。コロナウイルスは感染したかどうか……陽性か・陰性か。発達障害はグラデーション、スペクトラムという概念なんですけど、診断されないけどギリギリという方もいれば、診断されるけど症状の軽い方もいます」

気になる治療方法についてはこう説明する。

西井「基本的に3つです。ADHDの科学的な分析はされていて。ノルアドレナリン、ドーパミンという物質が普通の人よりアンバランスになっているので、それを出やすくしましょう、という『薬物療法』があります」

入山「僕が仮にADHDだとして……。時計を3ヶ月に一度ぐらいのペースでなくして困っているんですよ。財布は1年か半年に1回。治療すれば忘れっぽさはなくなる?」

西井「それが2個目の『行動療法』につながってきます。なくしにくい工夫、というのもできるんですね。時計をつけたり外したりするなら、人によっては懐中時計にして腰にぶらさげておくとか。身から離しちゃうとなくすんですよ、ベストなカバンはリュックサック。トートバッグや手で持つやつは置いてきてしまう(笑)」

入山「うわ、いまトートバッグだ(笑)」

中田花奈「これからは、ね(笑)」

西井「体にくっつけておく。忘れないようがんばるんじゃなくて、そもそも忘れようがないようにする。あと3個目が『環境にアプローチしていく』。どうしようもなかったら会社に『診断されたんです』と助けを求めたり、社会的な援助、障害者手帳をもらったりする」

現在はニューロ・ダイバーシティという、脳の特性を個性だとする考え方が広まっている。西井さんは言葉を選びながら、前向きな言葉を述べる。

西井「ADHD、ASDの方は過集中、一回グァーッとやり出すとすごくのめりこんで、専門家になる方もたくさんおられます。そういうところを使って活躍していただくというのは、すごくいいと思います」

「西川あやの おいでよ!クリエイティ部」は毎週月曜~金曜の午後3時30分~5時45分、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

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