牛肉価格が高騰し焼肉店直撃 森永康平氏が指摘する隠れた一因とは

牛肉価格が高騰し焼肉店直撃 森永康平氏が指摘する隠れた一因とは

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新型コロナウイルス禍でも経営が堅調だった焼肉店の倒産が増えている。8月10日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では水曜コメンテーターで経済アナリストの森永康平氏と寺島尚正アナウンサーがこのニュースについて議論を展開した。

インフラ投資を疎かにしたことも原因のひとつ

原因はロシアとウクライナ紛争で牛の飼料となるトウモロコシが値上がりし、食肉価格が高騰するミートショックが経営を圧迫したため。東京食肉市場によると和牛A4の枝肉の加重平均価格は1kgあたり2477円で前年に比べておよそ4%、2年前に比べて2割以上も高騰しているという。7月に行われた農林水産省の調査では輸入牛肉のロースの全国平均の小売価格は100gあたり327円で、前年比で1割以上値上がりしている。

また海外での和牛人気の高まりも影響している。令和3年の牛肉の輸出額は前年比86%増の537億円で過去最高を更新。畜産関係者からは「円安効果もあり、海外に和牛が流れやすい」という声があがっている。

「このニュースでは指摘されていないところがひとつあります。例えばアメリカから輸出されている冷凍牛肉の量って日本(への輸入量)はそんなに変わっていないのですが、ここ2年くらいで中国が爆増しているんです。これはある意味、買い負けが起きているんです。それは港などのインフラ整備を中国がガンガンやってきていた影響も出てきています。大きな船で一回でたくさん輸出できる中国に卸すのが一番コストパフォーマンスが良いですから。この40年くらいでどれだけインフラ投資をしてきたのか、してこなかったのか、というのが背景にあると思います」と、森永氏はこのニュースの裏に隠された事実を指摘した。

「港なんて一ヶ月でできるものじゃないですからね」という寺島アナに対し「そうなんですよ。悔しい話なんですけど、中国はそれをやっていた。日本はやっていなかった。それだけの話なんですよね」と厳しく言い切る。

東京商工リサーチによると令和3年度の焼肉店の倒産は18件で、過去最小だった12件から一転し、1.5倍に急増した。18件のうち負債1億円未満の倒産が16件とおよそ9割を占めていて、中小規模の焼肉店の倒産が顕著となっている。和民グループや幸楽苑ホールディングスなど大手チェーン店が焼肉チェーンの展開を始めたことも原因になっているという。

「これは焼肉店に限った話じゃありませんが、チェーンとかが出てきちゃうとどうしても資本力には勝てないですよね。私も個人がやっているような焼肉屋さんを巡って美味しいお店を探すのが好きだったので、チェーン店ばかりになるのは寂しいですね」と森永氏は印象を語った。

「おはよう寺ちゃん」は平日朝5~8時、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。 radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

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