狙われるのは孤独な地方出身者? 甘い勧誘にご用心

狙われるのは孤独な地方出身者? 甘い勧誘にご用心

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8月31日「大竹まことゴールデンラジオ」(文化放送)、大竹メインディッシュのコーナーに社会学者の宮台真司さんが登場。自身の体験や記憶も合わせ、昨今のカルト教団の問題を語ってくれた。

1978年に東大の駒場キャンパスに入学した宮台氏。その時点で主要国立、早稲田、慶應といった大学群で「原理研究会問題」が沸騰していたという。

宮台真司「原理研究会というのは統一教会の学生フロント団体で、正体を隠して勧誘活動をしている、と大問題になっていて。いまでも非常に生々しく思い出される事柄ですね」

大竹まこと「頭のいい人たちじゃないですか。それが原理主義みたいなものに、どんどん勧誘されていくんですか?」

宮台「不思議かもしれませんね。でも僕が言う『鍋パーティー問題』なんです。地方から、公立、私立校で一番だともてはやされて、東京でいい大学に入ると。たとえば東大でいうと僕の同学年は麻布(高)で105人、入っているんですね。そのようにたくさんの東大生を送り出しているエリート校があって。そこにいる面々は勉強だけやっていたらスクールカースト落ちてしまうんで、いろいろやっているんですね」

大竹「はい」

宮台「ピアノの腕がプロ級、バンドやっているやつもいる……。(勉強だけだと)居場所を失ってしまうんですね。地方から出てきて、都内を中心とするエリート系に気圧されて寂しい思いをしているやつだけを狙って勧誘が行われるんです」

大竹「ほう……」

宮台「まず正体を隠して鍋パーティーに誘う。週末はいつも鍋パーティー、アットホームで『ここ、いいな』という雰囲気に。そうなると『今度みんなで夏合宿するんだけど、来ない?』と誘われて、それが研修の一歩目に。だんだん教義を教わり、最終的には向こうの正体も明かされるけど、鍋パーティー問題の深刻なとろは『これヤバい』と思ったところで、そこにしか居場所がないんです。受け入れて生きていくしかない、ということになる」

勧誘だけでなく、昨今はカルト教団の2世問題も物議を醸している。

宮台「1世はいいんですよ……よくないけど、自らカルト教団に入ったんだから、としましょう。2世の子供って弱者ですよ、親を失いたくないんです。親の言うことは信じたいと思うわけです。しかし言うとおりのことを学校で友達に話すと怪しまれるというか、『おかしいぞ』となる」

大竹「うん、うん」

宮台「そうすると学校や仲間との関係と親との関係の間で、引き裂かれた状態で。親を丸ごと信じているわけではないけど、捨てるわけにもいかない、友達を無視するわけにもいかないという不安定な状態におかれる。『星の子』という映画にも描かれているとおりのことです。カルト教団2世問題というのは、大学のいわゆる統一教会、フロント団体による勧誘とは別の問題を形成しているんです。家族が存在するがゆえに、捨てて外に出るわけにはいかないというね」

放送では政治と宗教の関係についても踏み込んで話している。

「大竹まこと ゴールデンラジオ」は午後1時~3時30分、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。 radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

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