斉藤一美アナが監督インタビューに望む際の覚悟とは?

斉藤一美アナが監督インタビューに望む際の覚悟とは?

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8月30日放送のライオンズナイターを実況した斉藤一美アナに、30日の試合のことや監督インタビューについて語ってもらった。

目次

  1. ”ゲームの立ち上がり”は難しい
  2. 辻監督の何気ない一言にも実は根拠がある
  3. 8年前のメモがこんな形で活かせるとは

”ゲームの立ち上がり”は難しい

一美アナはこの試合後SNSで「ゲームの立ち上がりは実況アナにとっても一番難しい時間帯…まさに先発投手と一緒…と改めて痛感する試合だった」とつぶやいていた。その真意を問うと「初回から色々ありすぎた。まず1回表、一死一、二塁、バッターは松本剛。セカンドに転がった打球で4・4-3のダブルプレーを狙ったが、一塁ランナーにタッチできず、結局バッターランナーもセーフ(記録は内野安打)。このプレーは家に帰って何度も練習したが、初めて見たパターンだった。こういうプレーが初回からあるとすごく疲れる(笑)初回はなるべくすんなり終わってほしい」と苦笑いを浮かべていた。ただ一美アナは「あの試合を喋った後の帰り道で、”野球の実況の世界に戻ってきたんだな”」と感じられたとのこと。この日の実況は「髙橋光成と試合前のオープニングの段階から完全にシンクロしていた」と教えてくれた。

その髙橋光成がこの試合も完投できなかったことについては「やっぱり今年はエースじゃない」としつつも「ただここまでシーズンで1回も離脱せず、ちゃんと相手のエース級ピッチャーと投げ合っている。これは評価されるべき。この1年はすごく大きい。だから、来年は何があっても、たとえ3勝10敗といった成績でもエースと言い続ける」とのこと。また一美アナは「この試合では”あえて”エース対決とは言わなかった。相手先発の上沢には申し訳ないけど、大黒柱のぶつかり合いという表現をした。上沢に対してはエースという表現をしたので、上沢にはエースと言っているのに、どうして髙橋光成にはエースと言わないのだろうと思ってくれている人がいたら嬉しい」と表現にこだわっていたことも教えてくれた。

一美アナは9月7日の放送テーマを「隅田知一郎に2勝目を」これ一本でいくと教えてくれた。一美アナは隅田について「2勝目を挙げれば変わると思う。8月31日に先発登板した時は、ずっと窮屈な感じで投げているなと感じた。デビュー3戦目となった4月9日のベルーナドーム、対ホークスとの2回戦。ここで勝てなかったことが分岐点かなと思う。この試合はホークス東浜との投げ合いで、隅田は6回2/3を投げて無失点。結局この試合は延長12回0-0で引き分け。この試合で勝ちが付いていれば最低でもその後の7連敗は3勝4敗くらいでいけたのではないか」とのこと。一美アナは「(放送テーマを)予告したのは初めて」と教えてくれた。是が非でも隅田知一郎に”2勝目”を!一体となって応援したい。

辻監督の何気ない一言にも実は根拠がある

一美アナが辻監督にインタビューをする際、辻監督がいつも以上に色々教えてくれる気がする。なぜそんなに話を引き出せるのか一美アナに訊くと「何も意識していない。唯一、間違いなく言えることは、絶対にこれを訊きたいと思って吟味した質問をぶつけている。例えば、用意した質問が5つあるとすれば、話の流れで順序は変わるかもしれないがその5つの質問は限られた時間の中で絶対訊きたいと思っている。それが伝わっているのかなと思う」とのこと。さらに一美アナは「仮にこれを訊いたら怒られてしまうかもしれないとか不愉快な思いをさせてしまうかもしれないと思う時もある。それでも、どうしても訊きたいのかどうかを自問自答する」とのこと。一美アナは渡辺久信GMが監督の時に、先発投手の予定を聞いた際「重たい口調で教えてくれた。ただ『予告先発だから一緒なんだけど、あんまり早く言ってしまうと少しでも長く準備されてしまう。だからあんまり先のことは言いたくないんだよね』と言われた。軽い気持ちで聞いちゃダメなんだなと思った。それ以降は、本当に訊きたい時だけ訊くようにした。嫌われてもいいから訊きたいという気持ちの時だけ訊く。ひょっとするとこの”嫌われてもいい”という気持ちが大きいのかなとも思う。今後監督から共演NGが出てしまっても仕方がないという覚悟で一回一回勝負している。そこが良い方向に流れていればいいなと思う」とインタビューに臨む際の覚悟を教えてくれた。

また一美アナは「辻監督の何気ない一言にも実は根拠がある」といい「8月27日の対オリックス戦、試合は0-6の完封負け。だが試合後に『選手は大丈夫、元気だ』と監督が言った。なんで元気と思えるのかわからなかった。なぜそう思われたのか辻監督に後日訊いたら『内野のボール回しです。明らかに敗色濃厚の終盤で外崎と源田の二遊間が元気よくボールを回し合っていた。自分が現役の時、石毛さんと半ばケンカ腰にやっていたような黄金時代の負けそうなゲームのボール回しを思い出した』とおっしゃていた。それを元に元気があると言い切れたことにも驚いたし、今度からそう言ったところを我々は見ればいいのかとも思えた。見過ごしそうな一言にも深い意味を常に持っている。辻監督は非常に興味深い方で、話の訊き甲斐がある」とのこと。今後も辻監督と一美アナのやりとりから目が離せない。

8年前のメモがこんな形で活かせるとは

この試合で森友哉が100号ホームランを打つ直前に、一美アナはこの試合解説の東尾修さんが8年前に語った森友哉の寸評を紹介した。このことについて一美アナは「面白い話だなと思ったからすぐメモにしただけ」とのこと。一美アナは「タイミングがバッチリだったのは偶然だし、打った森がすごいだけ(笑)」と謙遜しつつも「解説の言葉はメモしておかないと損。こういったメモが自分の野球観を作ってくれる」とのこと。

この森のメモについて一美アナは「どのタイミングで東尾さんが話したことか覚えていないが、8年前に聴いてそうなんだと思ったのでメモにした。このメモをよく処分せずに取っておいたなと思った。あの時の放送はこのメモを読んだだけ。8年前のメモを取っておいてこんな形で活かせるとは思わなかった」といい「ハマると嬉しいよね」と笑顔で言っていたのが印象的だった。

こうした日々の積み重ねが、時にとてつもない偶然を引き起こすのだろう。一美アナの何気ない一言にさらに耳を傾けたくなった。

文化放送ライオンズナイタースタッフ 高橋大夢。

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