「LGBT差別はない」杉田水脈はナゼあんなことを言うのか?元・東京新聞記者が統一教会問題を通して見えた安倍派のカラクリを分析

「LGBT差別はない」杉田水脈はナゼあんなことを言うのか?元・東京新聞記者が統一教会問題を通して見えた安倍派のカラクリを分析

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元・東京新聞ニューヨーク支局長でジャーナリストの北丸雄二さんを9月5日の大竹まことゴールデンラジオのゲストに迎え、森永卓郎、大竹まことの3人で、政務官に就任した杉田水脈議員について議論を交わした。

大竹まこと「8月の内閣改造で岸田政権の要職に抜擢された杉田水脈議員は、「LGBTは種の保存に背く」「同性愛者は生産性がない」など、過去に何度も差別的な言動を重ねて問題になっていましたが、8月15日の就任会見では「セクシャルマイノリティの方々を差別したことはない」と語ったそうです。北丸さんはこの発言をどんな風にお感じになってますか?」

北丸雄二「杉田さんは何言ってんだか分からないんですよね、色々あちこちいろんなことをしゃべり散らかしていて、支離滅裂と言いますが論理が繋がってない、不整合なんです。でも統一教会の問題が出てきたことで、そのカラクリがなんとなく分かったわかったような気がします。自民党がこれまでなぜ選択的夫婦別姓について かくも反対し、同性婚であるとか、差別禁止法に関してもかたくなに排除してきたカラクリが何かというと、宗教の教義なんですね。宗教の教義というのは、論理や民主主義の議会制度で話し合って決めるというものではなくて、最終的な結論は聖典だとか聖書とかに書かれて決まっています。それが絶対で議論が通用しない。だから問答無用なんだと、教義に関しては何を言ってもダメなんだと。自民党の右派、清和会といいますか安倍派が、これまでそういうことに頑なに反対してきたカラクリはこれなんだと分かったような気がします。」

大竹「杉田さんは前言を翻したり、いろんなことをしているんですけど、これはどう考えたらいいんですか。」

北丸「杉田さんって当選3回なんですけど比例ブロックで、安倍さんの寵愛を受けて比例名簿の上の方に入れてもらって当選している。つまり自分の名前で信託を受けて国会議員になってるんじゃなくて、安倍さんの信託を受けて議員になっているんですね。2012年、安倍さんが民主党政権から総理に返り咲いた選挙のとき、萩生田光一さんと一緒になって「杉田さんは素晴らしい」と絶賛して、是非自民党から出馬してくださいとお誘いしたそうです。つまり安倍さんの信託を受けているから、安倍さんの言っていることもしくは安倍さんが背景にしているもの、例えば国家主義であるとか家父長主義的な政治だとか、いわゆる男政治の切り込み隊長みたいな役目を果たしていたんだなって気がしますね。」

大竹「岸田政権になって、それでも政務官をなさっているのはなぜですか。」

北丸「岸田さんとしては自分の派閥の基盤が弱いから、どうしても最大派閥者である安部派の後ろ盾が必要であるということです。安倍さんが亡くなって、安倍派は今いろんなごちゃごちゃの段階になっているんですが、それにしても岸田さんとしては安倍派の顔を立てなくちゃいけなかったってことでしょうね。安倍派が今どうなっているか分からない部分もあるんですが、萩生田さんと統一教会のズブズブのつながりをはじめ、結局、安倍派が一番、統一教会とのつながりが強いという事が分かってきました。そして選挙での采配も、統一教会の支援を受けるか安倍さんが全部決めていたとなると、岸田さんが国葬を発表したときとは政治的な機運だけでなく、世論もずいぶん変わってきて、国葬に対する反対もドンドン増えていています。あの時は民主主義に対するテロだと盛り上がっていたんですけど、だんだん安倍政治のカラクリ、正体が分かってきたときに、ちょっと待てという意見が多くなって、安部派自体も困っているんじゃないでしょうか。」

大竹「森永さんはこの辺に関してどう思われますか?」

森永卓郎「杉田さんは何で言うことがコロコロ変わるかっていうと、自分の思想があるわけじゃないんですよ。だから安倍さんたちにおもねるために、聞こえの良いことを一応真似して言ってるんだけど、きちんと自分の頭で考えてないから、次々に矛盾が吹き出す。私は、安倍派の考え方っていうのは基本的にすごい女性差別なんだと思うんです。ただそれをオッサン達が言うとあまりに露骨で、女性が言うとなんかそれっぽく聞こえる。本当に自分の頭で右派の思想を語る人はそんなに多くなくて、そこにちょうど若くてきれいない人が言うことで重宝がられたのかなと思います。」

北丸「森永さん、それって歴史的に見ても、例えばナチスドイツの時に、ユダヤ人にユダヤ人を裁かせる委員会を作らせたり、今のウクライナ・ロシアの戦争でもウクライナの人に「ウクライナにはナチがいるんだ」と言わせてみたり、黒人差別でも、白人におもねるような黒人の人たちに白人の代弁をさせるようなことをやりました。歴史的に見ると女性達も虐げられ抑圧されてきた社会層で、そこで女性自身にもそういう事を言わせた。過渡期の社会においては、男性社会の中で男性にとって都合のいい女性像を体現する事は、ひとつの生き方でもあるんですよね。」

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