イジリー岡田が今明かす「ギルガメッシュないと」と「飯島愛」秘話

野村邦丸アナ「イジリーさんはピン芸人として活動を開始してから、文化放送『吉田照美のやる気MANMAN!』のレポーターをやっていて、徐々に名前が知られてきたところで、テレビ東京の当時の夜の超過激番組『ギルガメッシュないと』のレギュラーが始まって……」

イジリー岡田「1991年の10月から始まりましたね、土曜の深夜。僕と岩本恭生さんと、ダンサーの女性3人組『VIVID』という5人で始まって、最初の3ヵ月は過激ではなくて東京のデートスポットとか、スタジオにセットを組んで劇団のちゃんとした舞台を見せるとか。で、僕のコーナーだけが『セクシー女優さんのお宅訪問』で、女優さんのガチのお部屋で、タンスの中を『漁る』という。そこから3ヵ月後にガラッと内容を変えて、恭生さんの横に細川ふみえちゃん、そしてギリギリガールズ、セクシーメイツというグループを入れて、飯島愛ちゃんがちょっと後に入って来るんです」

邦丸「そうか～っ！」

イジリー「その時、担当していたディレクターに『イジリー君、俺が見つけた飯島愛っていう女の子が来るから。この世界何にもわかんないからイジリーちゃん、宜しくね！』って言われて。で、『その子にね、俺はTバックっていう下着を履かせようと思ってる』って。そのディレクターさんの思惑がドンピシャ当たって、ギルガメの視聴率がボンッと跳ねるんですよね。最高視聴率が夜の1時15分から2時10分で、平均で9.4％というね」

邦丸「凄いね！　当時としては夜中の1時過ぎの番組で！」

イジリー「だってその日のテレ東のゴールデンの視聴率が3％台で、ギルガメが9％台ってどういうことなんだと（笑）」

邦丸「飯島愛さんはアダルトビデオクイーンともいわれていたけども、『ギルガメッシュないと』で一気にバラエティタレントになったよね？」

イジリー「よく『細川ふみえちゃんと飯島愛ちゃんはどういう人でしたか』って聞かれるんですけど、細川ふみえちゃんは、ものすごい努力をされる人で、当時凄く多忙でしたが、海外ロケで帰ってきたばっかりでも、台本はちゃんと頭に入ってる。でも飯島愛ちゃんは、朝からもう寝ぼけまなこで来てるんですよ。リハーサルでフーミン（細川さん）が、『さあ始まりましたギルガメッシュないと！今日はどんな感じですか？』ってちゃんとやってんのに、『（だらけた感じで）えっとぉ～、今日はこんな感じでぇ～』って、愛ちゃん全然ダメなんですよ、やる気が無いんです。そのリハーサルでダラダラやってんな～っていうのがあって、ギルガメっていうのは朝9時入りの……」

邦丸「早かったねえ～っ！」

イジリー「収録なんで（笑）。朝9時入りのドライリハ、本読みがあって、カメリハがあって、本番が昼の1時からなんですけど、その間に愛ちゃんはどうしたんだろう？ってぐらい流暢に喋り始めて、『このぐらいでやればいいんでしょ』って感じで、何も台本も見ないで進めて行くんですよ。『えっ、何だろうこの子は！？』って。僕はフーミンは努力の人で、愛ちゃんは天才だっていってましたが、勘が良かったというか、何でも出来る子だなと」

邦丸「その後、飯島愛さんを各局も起用して売れっ子になっていく中で、御存知の方も多いと思いますけど、2008年に亡くなって。その時も周囲の親しくされていたタレントさんは本当にショック状態だったと。イジリーさんもあの一報を聞いた時は？」

イジリー「いや、ショックでしたよね。あんなにたくさんお友達もいて、何が起きたのかもさっぱりわからなくて。『お別れの会』というのがあった時に当時のレギュラー陣と行ったんですが、やっぱり出る言葉は『居ないことが信じられないね』っていうことでした……」

邦丸「色んな悼む声があったけれども、和田アキ子さんが凄く可愛がっていたということですが、『才能がありすぎて、人の気持ちがわかりすぎて抱えちゃうものも結構多かった』と語られていましたが……」

イジリー「そうですねえ、ギルガメの時も強気な発言というか、ズバズバ言う子でしたけど、収録が終わって楽屋までの廊下を一緒に歩くことが多かったんですが『イジリーちゃん、さっき私、言いすぎちゃったかな？』とか、『大丈夫かなァ？』とか、気にする子でしたね」

邦丸「表に出ているところと、実際の素顔とのギャップは結構あったんだろうなあ」

「くにまる食堂」は平日朝11～13時、文化放送（AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko）で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。