国民年金「5万円台」を維持 現役世代の短期的な負担軽減に「無理が来てしまった」

国民年金「5万円台」を維持 現役世代の短期的な負担軽減に「無理が来てしまった」

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厚生労働省が、すべての国民が加入する国民年金(基礎年金)の支給を、現在の物価水準で月5万円以上に維持する方向で検討している。9月28日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)は、水曜コメンテーターで経済アナリストの森永康平氏と寺島尚正アナウンサーが、このニュースについて意見を交わした。

森永氏、政府は「自助努力でよろしく」から方向転換しないと……

厚生労働省は、国民年金の給付抑制を予定より早く止める方向で調整を進めている。その具体策として、現行で抑制策として導入してきた「マクロ経済スライド」を前倒しで停止することで、給付の目減りを5万円台後半にとどめる案が出ているという。厚労省は近く、社会保障審議会の年金部会で議論を開始する。

寺島アナが「マクロ経済スライドについて、いかがお考えですか」と、問いかける。

森永氏は「マクロ経済スライドは、そもそも日本の人口構造的に取り入れた仕組み。少子高齢化が進むことで保険料の払い手が減り、もらい手の高齢者が増える中で給付水準を維持しようとすると、保険料が上限なく上がってしまいます。これを防ぎ、現役世代の負担を抑えるために、これを導入したわけです」と、マクロ経済スライド導入の背景を説明した。

そのうえで、「ただ、これ(マクロ経済スライド)は小手先の対応でしかないと思います。もう少し俯瞰した、マクロ的な話をすると、少子高齢化をどう止めていくかというところを考えないといけないのですが、そんな簡単に対応できる話でもないです。(現役世代の負担を)短期的に防ぐためのものに、無理が来てしまったということですよね」(森永氏)と、指摘する。

「今後の国民年金はどうなっていくんでしょうね」と、懸念を示す寺島アナ。森永氏は政府の方針に、こんな疑問を投げかけた。

「個人的には、経済全体を成長させて賃金を上げたり、少子高齢化を止めたりという方向で対策を進めていってほしいです。ただ、ここでちょっと気持ち悪いなと思うのが、新しい資本主義です。『NISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)の条件を拡充するので、自分で頑張ってください』という方向に向かっていこうとしている気がするんですよね。投資をした時に必ず儲かるというのならそれで良いと思いますが、投資って必ず儲かるわけじゃないですし、うまくいけば儲かって、タイミングが悪ければ利益が減ってしまうこともあります。自助でよろしくという方向から、そうじゃない方向に舵を切ってほしいなと思います」(森永氏)

「おはよう寺ちゃん」は平日朝5~8時、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。 radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

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