多数決は問題があると学校で教えていくべき?

多数決は問題があると学校で教えていくべき?

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11月2日「大竹まことゴールデンラジオ」(文化放送)、大竹メインディッシュのコーナーに工藤勇一さん(元・麹町中学校校長、現・横浜創英中学・高等学校長)が登場した。工藤さんは先月、苫野一徳さんとの共著『子どもたちに民主主義を教えよう――対立から合意を導く力を育む』を発売している。

壇蜜「『対立から合意を導く』ですって。いまの世界に超必要! 私の高校のクラスで『多数決にしよう』と言って決めたことで険悪になるという珍事があって。でもそれは珍事じゃない、と先生は言うんです」

大竹まこと「(本番前に工藤さんが)多数決をヨーロッパのほうではあまり使っていない、といったことをおっしゃっていましたね?」

工藤勇一「事実はわからないのでなんとも言えないところもあるんですが。向こうの本を読むとヨーロッパ全体ではないんですね。スウェーデンやデンマークなどの教育を見てみると、子どものころに『多数決というのは問題がある』というのをしっかり教えられていると思います」

壇蜜「反対したり賛成したり、手を挙げたんですけど、その人たちは顔が見えちゃうんですよ。それもしんどかった」

工藤「多数決って最初から『少数派を切り捨てろ』ということですから。そして『それが当たり前』と思っている大人だらけになるわけじゃないですか。そんな社会が成熟するわけないんですよ」

大竹「国会も多数決で押し切って」

工藤「国会が多数決をとらないといけないというのは、この本にも書きましたけど、時間の制約があるとか一定程度の時間で決めないと対応できなくなる。結果として多数決にならざるをえないけど、そこで話し合われる質が問題ですね。その質が悪い、と国民が言うわけですけど、それって僕ら、社会全体の成熟度が低いということを表している」

壇蜜「国民が選んだ人たちの話し合いの力が弱い、ということは……」

工藤「そうですね。よくタマゴが先か、ニワトリが先か、と教育の世界で言われるんです。世の中が変わったら学校がよくなるのか、学校が変わったら世の中がよくなるのか。学校がよくならないと、世の中もよくならないんですね。住みやすい世の中になっていくには、学校が先に進まないといけない」

壇蜜「学校、教育ですね」

工藤「はい。スウェーデンなんかは国会議員の男女比が5:5に近いんですね。でも50年前はいまの日本とほぼ変わらなかった。壇蜜さんは生まれていないけど僕は小学校高学年か中学ぐらいのころ。そのころに『多数決はよくない』という教育をしていたらいまごろ5:5の世の中ができていたと思います」

壇蜜「多数決は民主主義の象徴、みたいな空気がありましたもんね」

工藤「日本が民主主義というものを理解できないからです」

このあとも日本の教育、民主主義の理解についての問題点が挙げられていく。工藤さん自身、『子どもたちに民主主義を教えよう――対立から合意を導く力を育む』の出版に当たり、改めて向き合ったようだ。

工藤「『民主主義ってなんですか?』と聞かれて、学校の先生でも答えられる人はほぼいないと思うんですね。僕もこの本をつくるのに、大げさに言えば教員人生をかけたというか。やっと『民主主義』という言葉を扱えるようになったのかなと」

「大竹まこと ゴールデンラジオ」は午後1時~3時30分、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。 radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

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