チームを変えた【1への固執】 第99回箱根駅伝 大東文化大学取材後記 

チームを変えた【1への固執】 第99回箱根駅伝 大東文化大学取材後記 

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駒澤大学が学生駅伝「三冠」を狙う今大会、史上初めてその偉業を成し遂げたチームが4年ぶりに箱根路に戻った。大東文化大学である。

大東文化大学の箱根路復帰は今年4月から指揮を執る真名子圭監督の手腕によるところが大きい。当たり前の話だが、大学の駅伝チームはプロ野球のようにトレード等で戦力を補強することができない。新入生以外ほとんど変わらないメンバーの中で、真名子監督が戦力補強したのは選手のメンタルであり、変わることを望んだ選手が真名子監督を信じたことが結果に結びついた。

チームの変化について、谷口辰煕主将(4)はこう振り返る。

谷口辰煕(たつひろ)主将  写真提供:大東文化大学・正木優成主務

「真名子監督が来るまで、うちはチーム内で争うことがなかった。それが監督の方針、雰囲気、それまでとは全く違う練習などに触れることで、皆の中に ”誰よりも速く走りたい” という気持ちが芽生えるようになった。それぞれが【1への固執】を持つようになった」

【1への固執】

筆者は大東文化大学の他のメンバーにも取材させてもらったが、この言葉を口にしたのは谷口主将だけだ。真名子監督は常日頃、『もっと1番にこだわろう』と声をかけているという。つまり、【1への固執】はチームのスローガン「~考動と新化~」のように掲げられたものではなく、既にチームの潜在意識の中に刷り込まれている。2度の監督交代を経験、激動の4年間を過ごした谷口主将はメンバーの変化を肌で感じ取り、その変化の原動力が何だったのかを見抜いていたのだ。
谷口主将によると【1への固執】は練習のあらゆるシーンで見られるという。

最後に、正木優成主務(2)が話してくれた谷口主将にまつわるエピソードを紹介しよう。
「去年(2021年)の予選会、走っている谷口さんが僕の前に来た時『任せろ!』と。本当にかっこよかった。走りでも言葉でも引っ張ってくれるキャプテンです」

繊細な観察眼と男気を併せ持つ谷口主将が引っ張る大東文化大学の結束は固い。
「三冠」経験チームの逆襲はこの99回大会から始まる。

新しい大東文化大学陸上競技部寮を背に笑顔の正木優成主務
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