日本における「#MeToo」運動について考える

日本における「#MeToo」運動について考える

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ノンフィクションライターの石戸諭と、女装パフォーマーのブルボンヌを迎えた1月20日放送「西川あやの おいでよ!クリエイティ部(文化放送)」。
「きょうのクリエイティ部」では「日本の#MeToo運動」というテーマでお届けした。

「#MeToo運動」は、セクハラや性的暴行などの体験を告白・共有する際に、SNSでハッシュタグ「#MeToo」を使用して、それまで沈黙してきた問題を「私も被害者である」と発信することで世の中を変えていこう、という運動のこと。

2017年、ニューヨーク・タイムズ紙がスクープした、映画プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタインによる性的暴力事件がきっかけとなり、「#MeToo」は急速に広がった。

日本では、ワインスタイン事件と同時期の2017年に、ジャーナリストの伊藤詩織さんが、元TBS記者の山口敬之氏から受けた性暴力被害を訴える手記を出版し、日本国内で「#MeToo運動」が認知される大きなきっかけを作った。
伊藤さんは、この事件発生当時の2015年に被害届を出しており、刑事訴訟では不起訴、民事訴訟では去年7月に訴えが認められ、山口氏に対する賠償命令が確定した。

西川あやの「このことって、『#MeToo』っていうのが日本でも印象的になったかな、と思いますね」

ブルボンヌ「同時に、この手のものって、被害を受けても報復とか中傷を恐れて声をあげにくいっていうことに関しては、日本はアメリカと同じかそれ以上にひどいんだな、っていうのは反応とかを見ていて思いましたね」

石戸諭「ひとつ特徴的なところとしては、『#MeToo』が広がることに関して、アメリカの場合はニューヨーク・タイムズという世界的に有名な新聞が発端でしたけど、日本の場合は、たとえば伊藤詩織さんの報道は、最初に事件の証拠を相当細かく載せたのは週刊新潮でしたよね。そのあとに週刊文春が証拠を載せて、週刊誌が発端っていうのは多いのかなっていうのは思いますよね。もちろん、告発先として週刊誌が選ばれやすいっていうのはあるんだろうとは思うんですけども、大手メディアのほうがやや及び腰っていう感じはあるのかもしれないですね」

2022年3月には、映画監督の榊英雄氏がワークショップに参加した俳優に性暴力を行ったとする告発を皮切りに、園子温氏の映画が公開中止になったり、俳優の木下ほうか氏が報道を認めて無期限活動休止したりするなど、日本の映画界でも「#MeToo」が広がった。

ブルボンヌ「海外の場合は、発端が超大物映画プロデューサーだったじゃないですか。で、日本も映画界で性被害が相次いだっていうのは、一つは表現の世界だし、いわゆる濡れ場的なシーンが作品の中にある場合、それがどこまでお仕事で守られていて、リアリティを求めるタイプの作風の方達にとって、どこまで接触とか言葉がお仕事として表現を盛り上げるために必要だったのか、みたいな話までされると、とても曖昧な業界だからこそ、そういうことが動きやすいっていう現状が、もうそれこそ何十年レベルで洋邦問わずあったと思うんだけれども、最近は『インティマシー・コーディネーター』っていって、現場で性的な表現をちゃんと監視する人たちも現れているから、ここに関しても変化はしていくのかなとは思いますね」

石戸「日本のドラマでも導入されるようになってきている動きもありますからね」

さらに、ワインスタイン氏による性的暴力事件のスクープに至るまでを描いた映画「SHE SAID/シー・セッド その名を暴け」や、性被害者の実名報道などについても話した。

「西川あやの おいでよ!クリエイティ部」は毎週月曜〜金曜の午後3時30分〜5時45分、文化放送(AM1134kHz、FM91.6kHz、radiko)で放送中。また、radikoのタイムフリー機能では1週間後まで聴取できます。

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