「ムチで叩かれたあと抱きしめられるのが辛かった」エホバの証人2が語る異様な幼少期

「ムチで叩かれたあと抱きしめられるのが辛かった」エホバの証人2が語る異様な幼少期

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ドイツ文学者で宗教2世でもある、京都府立大学准教授の横道誠さんが3月13日の大竹まことゴールデンラジオに出演。親が宗教に入信してからの日々を振り返った。

大竹「ご本人が宗教二世であるということですが、どういう状況で子ども時代をお過ごしになったんですか?」

横道「父が家に帰ってこなくなりまして、母が心の隙間を言わばつけ込まれて入信してしまったということです。それがエホバの証人という教団で、昼間に伝道して回ってる、個別訪問する教団として知られています。昼間に回るのでだいたい主婦がターゲットになることが多くて、女性の比率が非常に多い宗教なんですね。だから女性の生きづらさの問題というものも関係していると思うんですけれども。母は若い頃に自分の父親、つまり私の祖父を亡くしまして、非常にお父さん子だったみたいで、もう一度会いたいという気持ちがすごく強かったんですね。それもあって、信じれば楽園に行けるという言葉に惹かれてしまった。」

大竹「もしかしたら、お父様と楽園で再会できるかもしれないという期待が、お母様を宗教の道にどんどんと連れて行ったわけですね。」

横道「そうです。小学校の低学年の頃だったんですけれども、物心ついていましたから、急に状況が変わったので、すごいトラウマ的な体験になっていますね。」

大竹「ご自身のお父様はお家を出て行ってしまった。」

横道「数年後にまた帰ってきて、でもいろいろと問題を抱えたところがあるので、今度アルコール依存症になってしまった、ということもありました。」

大竹「お母様は、誠さんご本人に肉体的な暴力も振るようになられた。」

横道「聖書に書いていることを文字通り実行するということを建前にした宗教ですので、「鞭をもって子どもを懲らしめなさい」という教義があるから、ベルトやガスのホースとか、そういうもので子どものお尻をたたく、というようなことをやっていました。これは2世の家ごとにかなり違っていて、「ときどき、そんなこともあったよね」と、ケロッとおっしゃる人もいれば、毎日のようにそういう事をされて完全に心が壊れたって言う人まで、いろいろグラデーションがありますね。私は壊れた方の側です。」

大竹「どんな風に壊れていったんですか。」

横道「当時はよくわからなかったんですけど、鞭で叩かれている時はしょっちゅう、いわゆる幽体離脱みたいな感じで、自分を見ようする別の自分がいるというか、そういう感覚になったんですね。かなり年を取ってから精神医療の現場で「解離」と言われている現象だということがわかりました。「離人体験」ということですね。そういうことがあったので、今でも現実感があまりないんです。」

大竹「自分が自分から離れて存在しているような錯覚ですか。」

横道「そうですね。レイプをされた女性であるとか、自分の目の前で自死をした家族がいるとか、そういう場合にもよく起こる体験です。」

大竹「そういう体罰を受けた後、お母様は誠さんのことを抱きしめた。その行為が一番しんどかったそうですね?」

横道「教団も悪意を持ってやっているというよりは、それが正義だと信じている。一種の独善ですよね。独善も一種の悪だと思いますが。それなので、子供に対しては愛情を示さなければいけない、ということをやるわけです。だから抱きしめたりとか愛情表現をしなさいって言うんですけど、これは男女間のドメスティックバイオレンスでも同じで、殴った後で抱きしめたりすると、かえって心が壊れるんですよね。どう受け止めているかわかんなくなっちゃうんで。」

「大竹まこと ゴールデンラジオ」は午後1時~3時30分、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。 radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

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