昔と今でマーケティングで変わったことと変わらないことは?

昔と今でマーケティングで変わったことと変わらないことは?

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6月5日の「ノバセルpresentsマーケティング進化論」は、ファミリーマートエグゼクティブ・ディレクター CMO兼マーケティング本部長の足立光さんをお迎えして、後編の今回は、より深いマーケティングの話や今後の展望について語っていただいた。

ノバセル株式会社代表取締役社長・田部正樹氏「最近デジタルだとかAIだって言われてる中で、急速にインターフェースは結構変わってきたんですけど、足立さんがマーケティングの仕事をする中で変わってきたことと変わってないことっていうことって何かあったりしますか?」

ファミリーマート エグゼクティブ・ディレクター CMO兼マーケティング本部長・足立光氏「変わったところはもう明確に一つだけで、お客様が見るメディアが多様化したことです。昔は、テレビ、新聞、ラジオ、看板といったマスメディアしかなかったし、それしか企業側も発信する手法がなかったし、お客様も見てなかった。今は皆さん、全然違うもの見てますよね。テレビももちろんあるんですが、いろんなニュースアプリだったりSNSだったり。そういう意味では、メディアがものすごく多様化して、かつ世代によって、違うメディアを見ることになったことが大きいですし、そのほとんどがデジタルだということが一番変わったところだと思っています。なので、自分たちのお客様がどんなメディアを見ているのかということをちゃんと理解した上でそのメディアに合った内容だったり、コミュニケーションだったりしなくちゃいけないという意味では、昔のように一つ程度あればいいって話じゃなくなってしまったというのが結構大きかったところだと思います」

田部「なるほど」

足立「変わったところに関しては、コミュニケーションをして、お客様の心を変えて行動を変えていくというのがマーケティングの大事なポイントの一つなんですが、何に心が動くかといったことに関してはあんまり変わったと思っていないんです。人間の欲望にちゃんとヒットするもの、美味しそうとか、そういうものが間違いなく響くということも変わっていない。ですので、それを最適化する、コミュニケーションするメディアが多様化したのでそれに合わせて別のものを作らなくちゃいけないっていうことだと思います」

田部「人間の本質とか顧客自体は変わっていないけれども、伝え方が大きく変わってきたってことなんですね」

足立「そうですね。人間の方も昔はそういう物がない時代は物が売れたりしたし、物が満たされてくると次のサービスに行く。今だったら別に物は十分足りてるのでより高次元の欲求、自己承認だったりあるんですけど、例えば、そこSDGsが大事とかね。そこは明らかに今までと違う次元の欲求だったりしますよね。なので、あの人間側も変わりつつありますが、ただ大きく変わったかと言われるとそんな変わってないと思っています」

田部「個人的に聞きたいのですが、美味しいとかっていう話でいうと、今まずいものを売ってるお店を探すことの方が難しいじゃないすか。昔はおいしければ話題になったんですけど、もうほぼ美味しいですっていう中で、ちょっとした違いとか、ちょっとした差別化をすることで話題化するのが重要視されています。話題化について、何か秘訣はありますか?」

足立「秘訣があったら教えてほしいですけど、ただ、例えば、みんなが知っているものとかで、どっちが美味しいですか?どっちのファンですか?って聞いたら、私こっちってみんな言うんですよね。そういう意味では、対決構造とかは、いまだにみんなが参加するので有効だと思っています。ついつい口を挟みたくなりますよね。みんながどんどん突っ込むようなものを作る。どんどん突っ込みたくなるようなものを作るっていうのがとても大事だと思っています」

「ノバセルpresentsマーケティング進化論」は毎週月曜19時30分~20時まで文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。日本最大級の音声プラットフォーム「Voicy」でもアーカイブ配信しています。

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