秋田市・過去最悪の浸水被害から3週間…現地を取材

秋田市・過去最悪の浸水被害から3週間…現地を取材

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文化放送と全国32局の制作協力で、月曜日から金曜日の午後5時からお送りしている「ニュースパレード」
その日に起こった最新の話題を中心に、幅広い分野にわたってニュースを紹介しています。

秋田県では7月15日、前線の影響で秋田市などで観測史上最多となる記録的な大雨に見舞われ、県管理の16河川が氾濫。
秋田市中心部の広い範囲が浸水し、記録が残る中で最悪の被害となりました。
市によると、8月3日の段階でほぼ8割の調査が終わり、床上・床下合わせた浸水被害は3771棟確認されたそうです。

秋田市中心部を流れる旭川で、およそ50mにわたって歩道が崩壊した場所も工事が進み、大通りでは浸水の影響はほとんと感じられませんが…。


浸水した地域に行くと、災害ごみが山のようになっていたり、家の中もまだまだ片付けが進んでいない家が多くありました…



楢山登町にある床上1m以上浸水したという「秋田醸造」でお話を伺うと
泥水が入って、機械も部屋も床も全部だめ。当日仕事を昼で切り上げて車を高台に持って行ったので、車は助かった。今畳も下張りも取って、工事中」と…。



氾濫した太平川(たいへいがわ)のすぐ近く、楢山大元町(ならやまおおもとまち)で床上2m以上浸水したというの住民の男性は
53年住んでいるけど、こんなことは初めて。1階の天井すれすれまで水が来た。車を高台に上げたあとペットの猫がいるので、膝まで浸水している中戻ってきた。
すぐに腰の上まできて、パニックに…ペットとお菓子と水をもって2階に避難。畳は24枚出したがまだ残っている。保障もまだ決まってない
」と。


毎日、ボランティア活動も続いていて、多いときは1日150人以上が参加しています。


秋田市社会福祉協議会・千川原公彦さんは
3000人以上が登録、半数が県外で、沖縄から来てくれた人もいる。確実に進んではいるが、件数が多いので対応しきれていない。
汚れた家財道具の運び出しや泥出し…毎日住民からボランティアの依頼がある、長く協力してもらいたい
」と話します。
8月5日に了解いただけたボランティアグループに同行取材させてもらうと… 
依頼のあった住宅の1階部分はほぼ浸水、緑のカビがびっしり生えた家具や濡れて重くなった畳、冷蔵庫やテレビ、衣類、たくさんの家財道具などを協力して運び出します。
腐敗臭も強烈です。



家主さんも7人のボランティアさんも厳しい暑い暑さの中、途中休憩を取りながら、テキパキと片付け作業を進めていきます。
食器などはビニール袋より土のう袋に詰め込み、濡れて重くなったカーペットを剥いで下の畳を出し、床に泥をかき出すための穴を一部開ける所までいきましたが、この日だけでは終了しませんでした。

ボランティアの1人、75才の男性は
疲れました。まだまだ手の入っていない所がいっぱいある。20日も経つのに…もっとたくさんの人に来てもらいたいけど」と話し、
ボランティアに毎週参加しているという大学1年生の男性は「少しでも手助けしたくて…10軒ぐらいまわったけれど、まだまだ進んでいないなって思った」と。
住民の1人は「住宅の修繕工事の順番もなかなか回ってきそうにない。冬越せるように何とかしたい」と話していました。

復旧にはまだまだ時間がかかりそうです。

気象予報士 防災士 伊藤佳子




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