9月24日のゲストは
ジャーナリストの
中村竜太郎さん。
1995年から2015年まで
「週刊文春」編集部で記者を務め
エース記者として20年活躍された
中村さんは、政治から芸能まで
幅広いニュースを担当し、数多くの
スクープを世に送り出しています。
現在はフリーランスに転向され、
9月28日に初の著書
『スクープ!
~週刊文春エース記者の取材メモ~』が
発売される中村さんに
本に収録されているエピソードや
「週刊文春」がスクープを
連発できるワケ、文春記者時代の苦労、
そして、ジャーナリストとしての
やりがいなどを伺いました。
■ 文春がスクープを連発できるワケ ■
発行部数68万部と週刊誌では
断トツの売り上げを誇る「週刊文春」は
今年「ベッキーの禁断愛」に始まり
「イクメン議員の不倫」など立て続けに
"文春砲"を撃ちまくっています。
なぜ文春ばかりが
スクープを連発できるのでしょうか?
雑誌がかつてより売れなくなった昨今、
経費を削減する媒体が多い中、
"現場第一主義"の文春は、
取材費用に糸目をつけず、
記者を現場に派遣――。
(中村)「取材の中身が面白かったら
もっと人を投入したり、
裏取りのために、まず現場で
話を取ってくることが
根付いているので、
そういうのもあると思います」
たとえば、沖縄で起きた事件の関係者が
北海道にいるとわかれば、
その日のうちに記者を派遣するような
ことも日常的なのだそうです。
■ 企画から雑誌発売まで ■
「週刊文春」記者時代の企画会議では
「毎週5本」のネタ出しがノルマ。
それもスクープ性のある
ニュースでなければいけないそうです。
(中村)「これが、つらくてつらくて。
そんなに新しいニュースって
ないじゃないですか」
週刊誌の記者にとって
スクープのための情報入手のために
大事なものは「人脈」。
日頃から付き合いのある人との話から
情報が入ることが多いようです。
(中村)「しかも、こちらから
『ネタないですか?』と
いうことよりも、雑談の中で
ピンと来たり、
そのニュース調べてみたら
面白いかも――ということから
始まったりしますね」
ネタ探し、取材、調査、執筆・・・
木曜日の午前中に企画会議、
午後に発注を受け、
土曜日の中間会議で、そのネタが
どこまでできるか、いったん見極め、
月曜日が締め切り。徹夜で執筆し
火曜日が校了。
木曜日に雑誌が店頭に並びます。
また、記事を執筆する間も
別の取材を並行して行い、
寝る暇もないような忙しさだそうです。
■ 企画から雑誌発売まで ■
2013年に大きな話題となった
「シャブ&飛鳥の衝撃」も
中村竜太郎さんの担当記事。
スクープの舞台裏を伺いました。
CHAGE and ASKAは活動休止からの
復活ライブ開催を控えていましたが
ASKAさんの病気のため
中止が発表されました。
病名は「一過性脳虚血症」という
耳なじみのないもの。
中村さんは知人の医師との会話で
「そんな病気で中止にするか?」
という話があり、ピンときたそうです。
(中村)「探ってみようと思ったら
実はこんな話、あんな話――。
どんどん取材していくと
情報が怪しげな感じに
なってきたんです」
実名報道だったことから
ファンからは抗議の電話が殺到、
事務所も公式発表で記事を否定。
「もし間違っていたら・・・」
という重圧のかかる日々が続き、
逮捕された時にはホッとしたそうです。
(中村)「確信を持っているんだけれども
風向きは悪いな
と思ってましたね」
(中島)「基本的な、
ピンとくるところから
取材を重ねるという、
実に基礎的な動きで(記事が)
作られているというか、
急に落ちてくるものじゃない
というこがわかりますね」
■ 記者としてのやりがい ■
中村さんは文春記者時代、サウナで、
「文春の記事が面白かった」
というサラリーマン同士の会話を
耳にし、やりがいを感じたそうです。
(中村)「自分がやったとか
一切言わないですけども
一般の人がそういう風に
おっしゃってくれると
嬉しいですね」
また、スクープ報道によって
逆恨みをされることもあるようですが
感謝されることも
「意外」とあります。
記事によって、国のシステム、
組織の不正などの問題が表面化、
話題となり、法律の改正につながった
例もあるそうです。
■ 中村竜太郎さんの著書 ■
■『スクープ!
週刊文春エース記者の取材メモ』
(文藝春秋/1,200円+税/2016年9月28日発売)
詳しくは こちら
(中村)「帯にも書いてあるように
『これが本当にリアルな
週刊誌の現場だ』と。
週刊誌がどういう作られ方を
しているのか、
実際にどうやってネタを
取ってくるのか、ということが
かなり詳しく書いています」
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