なかじましんや 土曜の穴

毎週 土曜日 11:00〜13:00
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ゲスト・田中圭一さん

 4月29日のゲストは
 漫画家で
 うつ病脱出のドキュメンタリーコミック
 『うつヌケ うつトンネルを抜けた人たち
 作者の田中圭一さん。

  ♪♪ ポッドキャストで聴く ♪♪

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 日本に100万人以上の患者がいる
 といわれる「うつ病」について
 田中さんの実体験、
 うつを抜ける方法などを伺いました。

  田中さんのうつヌケ

 パロディ漫画やギャグ漫画で人気の
 田中圭一さんが今年1月に発表した
 うつ病から脱け出した方々の話をまとめた
 ドキュメンタリーコミック
 『うつヌケ うつトンネルを抜けた人たち
 20万部突破大ヒット

(田中)「自分の描いた漫画が売れるのは
     喜ばしい反面、こんなに多くの
     人に求められている現状は
     複雑な心境ではありますよね」


 田中さんは40代の10年間を
 うつ病で苦しまれたそうです。

 おもちゃメーカーの営業、
 ゲーム会社では開発の仕事を経験した
 田中さんは、知人のコネクションで
 「営業」として、ある会社に入社。

 当初は業績もよく、
 周囲の評価も高まりましたが、
 それまで経験した仕事とは
 "畑違い"で
 「本当は自分に合わない」という思いに
 フタをして、頑張り続けました。

 その結果、徐々に無理が生じて、
 成績も落ちていき・・・

(田中)「ある日 気付くと、
     謎の不安、悲しい感じが
     原因もわからないまま、
     慢性的に続くんです」


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 やがて、ケアレスミスが増え、
 文字・活字が読めない、
 音楽・映画で感動が湧かない――と
 普通の感覚が鈍っていったそうです。

(田中)「漫画の中ではそれを
     "脳みそが濁った寒天に
     包まれる"と表現してますけど
     その寒天がどんどん分厚く
     なっていく感じですね」


(中島)「この漫画の画期的なところは
     『うつ』をキャラクター化
     してるじゃないですか」


 「スライムみたいな」黒いキャラクターで
 『うつ』を描き、このように可視化、
 ビジュアル化することで、
 うつをよく知らない人にも、
 わかってもらえる点が漫画のメリット
 ――と語る田中さん。

 田中圭一さんが
 『うつ』のトンネルを抜けたきっかけは
 『自分の「うつ」を治した
   精神科医の方法』

 という本に出会ったこと。
 (著者・宮島賢也さん/KAWADE夢新書)

 うつの原因のストレス、つらさ、
 自分を否定する気持ちを変えなければ
 いけない――と書かれていて・・・

(田中)「この理屈は、僕にとっては
     腑に落ちたんですね」


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 その本で田中さんが
 強く関心を持ったことは
 肯定的自己暗示――をかけること。

 "朝起きた時、夜寝る前に、心の中で
  自分を好きになる言葉をつぶやく"


 寝ているか起きているかわからない
 意識がぼやけてる状態は、
 「潜在意識」と「顕在意識」
 (本音と建て前)とが曖昧になった
 心理状態なのだそうです。

 普段「自分はイケてる!」と思っても
 「まさか」と跳ね返す(否定する)もの。

(田中)「それが、起き抜けのボヤ~っと
     したところでは心の奥に
     スーっと入って来る、と」


 営業の仕事ををしていた頃、
 ノルマの締めとなる「月末の朝」に
 「ノルマ届いてない。どうしよう・・・」
 と考えてしまい、憂鬱な一日を
 送った経験があったことから
 「起き抜けは心のフタが開いている」
 ――と実感。

(中島)「そこにいいもの
     
(前向きなこと)
     入れてあげる――、
     つぶやくだけでいいんや」


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  17人の事例

 『うつヌケ うつトンネルを抜けた人たちには
 うつを脱出した
 17人の事例が紹介されています。

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 ◆大槻ケンヂさんの場合・・・
   プラモデルを作った

(田中)「趣味に没頭してイヤな気持から
     心を離す――。
     プラモデルは短い時間で
     達成感が得られやすいんです」


 ◆小説家・宮内悠介さんの場合・・・
   母親に電話で助けを求めた

(田中)「大の男がプライドを捨てて
     お母さんに助けを求める――
     心の鎧を外すというか。
     カッコ悪いんだけど、
     それでいいんだ――という」


 ◆フランス哲学研究者
      内田樹さんの場合・・・

   冠婚葬祭を休んだ

 医師から「冠婚葬祭をサボりなさい」
 と言われたそうで、
 "行かなければいけないもの"という
 呪縛を解くことができました。

(田中)「何かをしなきゃいけない、
     っていうのは、必ずしも絶対
     しなきゃいけないものじゃない
     ――と、心がほぐれた」


(中島)「『休んでいいんだ』って
     なかなか思えないよね。
     『休まないことがいいこと』
     って、育ってきてますから」


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  うつになったら

 家族や身近な人が『うつ』になったら
 どうすればいいのでしょうか。

(田中)「うつになってない人と、
     なってる人の間には
     すごく深い溝がある。
     なかなか理解されないんです」


 『うつヌケ』には、17人もの
 様々なケースが紹介されているため
 読めば、いざという時に、
 「こういうことかな?」と
 想像することができるでしょう。

(田中)「うつって様々なケースがあり
     苦しんでいる方にはいろんな
     原因があると思いますし、
     治し方もいろんなケースが
     考えられますんで、
     自分のケースに近いものを
     見つけたら、まず試して
     いただくのがいいと思います」


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  『うつヌケ』

 著書『うつヌケ
     うつトンネルを抜けた人たち
  (KADOKAWA/1,000円+税/2017年1月発売)
  詳しくは こちら

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   (ブラウザで直接再生)

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