3月9日放送
『なかじましんや 土曜の穴』のゲストは
世界有数のオークション会社
クリスティーズの日本法人
クリスティーズ ジャパン
代表取締役社長 山口 桂さん。
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山口 桂さんは広告代理店勤務を経て
世界最古のオークション会社
クリスティーズに入社。
おもにニューヨークを拠点に、
日本・韓国の
美術品の専門家(スペシャリスト)
として実績を積み重ね、昨年10月
クリスティーズ ジャパン
代表取締役社長に就任。
放送では、世界のアート市場の
最前線で活躍されている山口さんに
オークションの世界について
伺いました。
■ オークションの基礎 ■
まずは基本的なことから教わりました。
オークションは、どのようなしくみで
行なわれているのでしょうか?
まず「アートディーラー」と
「オークション」との違いから――
アートディーラーは、購入した作品を
いくらで販売しても自由です。
一方、オークションは委託業務。
作品の持ち主に対して、オークションに
(いくらで)出品しないか、交渉し、
持ち主から借りてオークションに出品。
売れた場合、
売った人・買った人双方から
手数料が支払われ、
"不動産の売買"に近いイメージ
とのこと。
そして今、アート市場は
大いに盛り上がりを見せており、
クリスティーズも昨年、開業以来
最高の売上を記録したそうです。
山口 桂さんは【3つのション】
『セレクション』
『バリュエーション』(valuation)
『キュレーション』を重視して
美術品の流通を支えているそうです。
(山口)「正しい値段で、正しい作品、
正しい売り方があれば美術品は
うまく売れていくのではないか
という風に思っています」
■ スペシャリストの役割 ■
山口 桂さんが長年務めてこられた
スペシャリストとしての役割は・・・
・作品を発見する
・作品の学術的な価値などを理解して
値段をつける
・営業的側面として
美術館、コレクターの方と交渉し
売却/購入してもらう
良いものを見極める力が養われた
背景には、師匠の助言がありました。
「本物だけ、
一番いいものだけをずっと見続けろ」
「一流の、本物だけを見続けていると
二級品以下のものは、すぐわかる」
――と教えられたそうです。
また、山口さんが「値段」をつける際は
"引き算"を駆使するとのこと。
たとえば【国宝】
【市場価値10億円といわれている】
などの情報があるものと比較します。
(山口)「引き算をしていく・・・
そうすると
一番いいものに比べて
いくらくらいだろう、
ということが、
一流品ばかり見てると
わかるということです」
■ シュレッダー裁断の裏 ■
クリスティーズとは別会社ですが
ロンドンのサザビーズで昨年、
覆面アーティスト、バンクシーの作品が
落札された直後、
シュレッダーで裁断される――という
出来事がありました。
あれはいったい何だったのか――?
山口さんがスペシャリストの立場から
見解を示してくださいました。
(山口)「(スペシャリストは)作品が
オークションにかかる前に
隅々まで検分しますので、
ああいった機械が額の中に
入っていることを見逃すわけは
200%ないと思います。
もし見逃していたら、
そのスペシャリストはとっくに
クビになってると思いますので
僕はひとつのショー的な要素が
かなりあったんではないかな
という風に思ってます」
■ 山口さんの夢 ■
山口 桂さんが今後、仕事を通じて
叶えたい夢を伺いました。
(山口)「仕事的には、やはり一度
日本でオークションを
やってみたいと思います。
今やっておりませんので。
個人的には、
美術品を扱うというのは
歴史の一端に触れて
生きていくことなので、それは
できれば死ぬまで続けたいなと
思っています」
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