2017/4/28

ローソン、来月30品目値下げ 日用品を5%前後、ファミマも

コンビニ3位のローソンがシャンプーや洗剤など売れ筋の日用品約30品目を来月8日から5%前後値下げすることが27日、分かった。2位のファミリーマートも来月15日から同様に25品目を5%前後値下げする。
 消費者の節約志向を背景に、これまでに流通大手イオンやコンビニ首位のセブン―イレブン・ジャパンが値下げを実施。価格が割安なドラッグ店やディスカウント店を含めた顧客争奪戦が激化してきた。
 各社は価格を競合他社と比較し随時見直しているが、大手メーカーの商品のうち特に需要の大きいものを安くして集客増につなげる。

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博士(経済学)・帝京大学経済学部教授・慶大経済学部非勤
宿輪純一
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筆者は経営企画部門で長く働き、大学院等で企業戦略も教えてきたが、企業の戦略にはザックリ分けて2つある。価格戦略と価値戦略である。

価格戦略は価格を下げていくもので、価値戦略はその商品(サービス)の価値を上げていくものである。価格戦略のみを極めて永続した企業もない。本来は価値戦略、商品の価値を上げていくことが大事で、それだけで勝負できればいいのであるが、なかなかそうもいかない。


結局は、価値戦略と価格戦略の組合わせが大事になり、その"バランス"が経営戦略ということになる。今回も売れ筋の日用品を下げることによって、まずは集客しようとする考え方であろう。

しかし、コンビニはスーパーマーケットと比べてみると、スーパーマーケットの主たる戦略が価格戦略なのに対し、コンビニはその性質から言って高価格で売れる。そこが収益率の高さの源泉である。イトーヨーカドーやそごう・西武を配下にもつ「セブン&アイ・ホールディングス」の収益の約7割はセブンイレブンである。

このニュースでは気になることがもう一点ある。「消費者の節約志向」ということである。"将来に不安"があるのである。改革が遅れ成長しない経済(上がらない給料)や増え続ける巨額な財政赤字が気持ちを重くしているのである。


博士(経済学)・大学教授・元三菱東京UFJ銀行企画部経済調査室シニアエコノミスト・映画評論家:宿輪純一

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