学生連合チーム 取材後記
2020.12.13
箱根駅伝には、自チームの襷を掛けずに走る10人の選手がいます。
関東学生連合チームです。
学生連合は、箱根出走経験がない選手の中から各校1人、予選会の成績がよかった選手が選ばれます。
メンバーは16名。16の大学から集まった、最初は顔も名前も知らないライバル同士が、予選会から2ヶ月と少しでチームになります。
「なります」という表現は適切ではないかもしれません。
というのも、学生連合チームに取材をさせていただき、この記事を書いている12月13日の次点では、まだチームとは言えない雰囲気を感じたからです。
正確に表現するなら「チームになろうとしている」と言った方が良いでしょう。
今回チームを率いるのは筑波大学の弘山勉監督。
弘山監督は前回大会、チームを26年ぶりに箱根路に導きました。
今回は予選会次点となり、学生連合チームの監督をオファーされました。
しかし、「学生連合は箱根未出走の選手」という条件で、学生連合に筑波大学の選手はいません。
弘山監督も当初は引き受けるか否かを迷ったとのこと。
それでも前を向く弘山監督は、学生連合の存在意義について語ります。
第95回大会で箱根を走った相馬(崇史=現4年生)が、「ものすごい大会だ」と言って大興奮でチームに帰ってきた。
その代が「本気で箱根に出たい」と言ってチームを変えた。それはまさに学生連合があったからこそ。
箱根を走った選手の熱は、それがたった一人でもチームを変えます。さらに
特別な枠が与えられ、それはたった1枠と言え16大学。
給水、OB、教職員、学生...さらにその裾野の人数を考えると、ものすごい数。
この1枠のおかげで多くの人が箱根駅伝に参加できる。
学生連合チームの存在意義を、身をもって感じた弘山監督は熱く語りました。
弘山監督、この大会への抱負は
各選手がチームに興奮を持って帰って、
ライバルチームが強くなったとしても
『今回学生連合チームに参加してよかった』と言ってもらえるチームにすることが目標
シード権獲得相当の目標とともに、それぞれがどれだけ大きなお土産をチームに持ち帰るのか。
箱根駅伝当日は、
母校のユニフォームに学生連合の白い襷をかけて、それぞれの思いを運びます。