国立科学博物館の例から考える、クラウドファンディングで成功する方法

国立科学博物館の例から考える、クラウドファンディングで成功する方法

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8月30日「西川あやの おいでよ!クリエイティ部」(文化放送)、特集コーナーは「クラウドファンディング」をテーマにお届けした。今月7日、東京・上野の「国立科学博物館」が、光熱費の高騰などを受けてクラウドファンディングでの資金調達を開始すると、9時間半で目標額の1億円に到達。大いに話題を呼んだ。

西川あやの「(国立科学博物館のクラウドファンディングが)スタートして3週間ほど経ったいま、延べ4万人以上から、合計7億円を超える支援が寄せられています。今回の科博の返礼品、一覧があります。すごく魅力的ですね」

石戸諭「バックヤードツアー・館長&副館長コース、各専門コース、5万円!」

永井玲衣「(価格が)結構しますね! そりゃそうだ」

西川「筑波実験植物園内で落葉やどんぐり採取を特別体験、古代人に触れる……」

永井「やっぱり素人じゃ思いつかないんですよ。科博の人がやっているからこそのラインナップですね」

西川「国立科学博物館の今年度の予算、年間収入およそ35億円のうち、8割を政府が出資。安定して受けているように思えるけど、光熱費の高騰、新型コロナウイルスなどでこういうことになった。資金集めの方法にいろんな意見はあるにせよ、どうなったら人の気持ちが動くのか、というのを考えた結果だと思うんです」

石戸「それはそう。今回の科博の件にしては『それぐらい国が出してやれよ』というのが正論。そのうえで改めて考えると、こういうツアーを組む(返礼品)とか、どの博物館でもできるか、となったら難しいかもしれない。だけど知恵を絞っていく、返礼品や所蔵しているものを組み合わせていくと、新しいファン層が生まれるというか。『好き』と言ってくれていた人も『もっと好きになった』、となる効果はあるんじゃないかなと」

永井「科博が『助けてくれ』と言ってくれたおかげで、『こんなすごいところでも困っているんだな』『いつか行きたいです、と言っているだけじゃダメなんだな』『支えなきゃ』など、浮き彫りにしてくれる。そういう側面は、クラファンの大事なところだと思います」

西川「そもそもクラウドファンディング、最初は2000年代のアメリカなんですって。日本で初めてサービスが提供されたのが2011年。東日本大震災の年で、新たな資金調達の手段としてだけでなく、寄付をする際の新たなチャンネルとして急速に浸透したと。いろいろと数字があるんです。どういうものの目標到達率が高いかというと、たとえば『リターンを10個以上用意する』。科博はもうすごい量あるわけです」

石戸「10個どころじゃない」

西川「21個以上がいちばん高くて、60%ぐらいの到達率。5個以下だと30%以下に」

永井「低っ!」

西川「だからリターンの種類を増やすと。あとリターンの説明文が200文字以上だと、目標到達率が高い傾向がある」

永井「具体的である、思いが強い、っていうことなんですかね」

石戸「情報を開示している度合ってことでしょう。なんで必要なのか、っていうことが説明されている文字数、という感じですね」

永井「いま『短く、短く』っていう時代でもあるじゃないですか。(クラウドファンディングは)意外とそうでもなく、開示されたほうが信頼度、高いと」

石戸「永井さんの話を聴いて、やっぱりお金を払うのって理性だと思いました。短い言葉でないとシェアはできない。でもお金を払ってもらおうというなら、理性に訴えかけないと、というのがこのデータからは見えてくる気がしますね」

「西川あやの おいでよ!クリエイティ部」は毎週月曜~金曜の午後3時30分~5時45分、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

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