広義のスクープと狭義のスクープ、その違いは?

広義のスクープと狭義のスクープ、その違いは?

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9月11日「西川あやの おいでよ!クリエイティ部」(文化放送)、特集コーナーでは「スクープの本質」をテーマにお届け。記者たちが日々、どうスクープを追っているのか、社会におけるスクープの意義とは何か、などを語り合った。

 

西川あやの「先週の木曜ですね。ジャニーズ事務所の記者会見、話題になっていました。故ジャニー喜多川氏の60年間にわたる性加害を事務所が認めました。こちらをめぐる動きを振り返ると、1988年、フォーリーブスのメンバーだった北公次さんが性被害を綴った告白本を出版しました。当時は暴露本扱いだったんですか?」

青木理「そうですね。僕も本を持っていますけど、どちらかといえば色物というか芸能スキャンダル的な扱いで、あまり真面目に受け取られたとはいえなかった。性被害をめぐる時代背景もあっただろうし、ある意味でジャニーズ事務所のパワーみたいなものに、ほかのメディアが委縮してしまった、という面もあった」

西川「そのあと1999年10月から14週間にわたって『週刊文春』がキャンペーン報道を展開。ジャニーズ側は文春側を名誉棄損で提訴したんですが、2003年7月に高裁判決で性加害の真実性が認定されたと。で、今年の3月、BBCでドキュメンタリー番組が放送、いまの流れに繋がってきます。長い時間がかかっているのって、いろんな理由が考えられますね」

青木「要するにメディアが強きに弱く、弱きに強い、というところに尽きるでしょう。広義のスクープと狭義のスクープがあると思うんですけど、広義のスクープというのはほかの人が知らない事実を世に出す、明らかにする。本当の、狭義のスクープというのは、その記者なりメディアが報じなければ永遠に闇に葬られてオモテに出てこなかったものだと僕は思っていて」

西川「はい」

青木「その方向性も芸能人の誰かが誰かとくっついている、不倫しているというよりも、やっぱり権力者や強いものたちの隠している、あるいは出さないようにしている情報を暴く。というのが狭義のスクープだと思いますね」

山内マリコ「ジャニーズの問題に関して、ここ30年ほどで変わってきたじゃないですか。でも2017年に『ニューヨーク・タイムズ』で、映画会社ミラマックスの大物プロデューサーだったハーヴェイ・ワインスタインの性加害問題がスクープされて、それに皆さんが反応した。『#MeToo』をつけてSNSでワーッとなったじゃないですか。性加害が社会問題として重いんだということが広まった。大きな潮目だったんじゃないかと思います」

西川「そうですね……」

山内「スクープによって社会通念自体を変えることもできる、というのは#MeToo運動のときにすごく思いました」

青木「『週刊文春』のキャンペーンは立派なスクープで、BBCのドキュメンタリーも世の中を動かしたスクープではあると思う。でも『それなりにみんな知っていたでしょ』って。あるいはなんとなく知っているけど、きちんと取り組んでこなかった、という意味ではメディアの怠慢ともいえる。本当の意味でのスクープとは違うかもしれない」

西川「山内さんがおっしゃるように、そこの重要性によって広まり方が変わるのかなと思います。誰も興味を持たなかったら……」

青木「そういうことですよ。そのときの社会環境もあるし。スクープというものの大きな要素でもあるけど、たとえばどこか1社がスクープしたとき、ほかのメディアがどう反応するかというのも大きな問題。1社だけがやっても無視されたり見て見ぬふりされたりしたら社会的なムーブメントにはなっていかない。メディアの仕事って基本的には、新しい事実を報じることで社会が少しでもよくなってほしい、と思っているわけですよ」

西川「はい」

青木「そういう意味で、1社しか報じない、ほかが追随しないのなら社会的には意味を持たなくなってしまう、というところもあります」

「西川あやの おいでよ!クリエイティ部」は毎週月曜~金曜の午後3時30分~5時45分、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

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