村上信五くんと経済クン「サバと経済」

村上信五くんと経済クン「サバと経済」

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毎週土曜朝9時~放送している「村上信五くんと経済クン」。
9月16日(土)の講義は、サバと経済です。
大阪・関西万博まであと2年になりましたが、その2025年に世界デビューしようとしているサバがあります。
その名も大阪サバ。実はこの大阪サバ、陸上養殖サバで現在世界デビューに向けて改良中なんですが、このプロジェクト、大阪人にとっては、戦国時代まで遡り、400年にわたる悲願だというのです。
なぜ大阪人の悲願なのか?
講師に、おそらく世界で1番サバを愛しているであろう「鯖やグループ」代表取締役社長・右田孝宣(みぎた・たかのぶ)さんをお迎えして、みんな大好きなサバの歴史、経済、そして食べ方をお勉強しました。

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【サバ博士・右田孝宣(みぎた・たかのぶ)さん】
1974年、大阪生まれ。20代で単身オーストラリアに料理の修行に旅立ち、現地寿司チェーン店に就職。その後スーパーバイザーへ。
入社当時2店舗のお店を、2年間で13店舗まで拡大。
オーストラリアで成功しますが、日本での可能性に賭け、26歳の時に帰国。2004年、居酒屋をオープン。
そこで大人気だった「鯖寿司」をもっと多くの方に食べて頂きたいと想いから、2007年にさば寿司専門店「鯖や」を設立。
素材にこだわり、青森の「八戸前沖さば」を仕入れた商品づくりに精を出す。
また少しでも多くの方にサバの美味しさを知ってもらうため、「さば料理専門店SABAR」をオープン。
さらに、サバの養殖事業やサバを食べる食文化の啓蒙活動も積極的に行っている。
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【サバを好きになったきっかけ】
19歳まで魚を食べられず大嫌いだったが魚店に勤めたことがきっかけで、魚の魅力に取りつかれた。
オーストラリアで回転ずしの工場長をしていた時に、日本では絶対レーンで流れているけど海外で流れていないのは“しめサバ”だと当時の社長に言われた。
海外の人はすぐにしめたサバを食べる文化がないので、それを日本流にアレンジして作ってくれと言われたのが最初のきっかけだった。
そこからサバと向き合っていくなかで、「なかなかコイツおもろいな」と感じ、サバが好きになっていった。
日本に帰ってきて奥様と開いていた居酒屋で出していたサバ寿司がとても人気で、奥様に「あなたが作れる料理の中で、サバ寿司が唯一おいしい」と言われた。
その一言でサバにチャレンジしようと決め、サバの会社を作った。
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【サバの基本情報】
旬はちょうど今から冬にかけて。「秋サバ」と言われることもあるが、サンマの陰に隠れてしまう。冬は「寒サバ」といわれ、1月~2月にも旬が来るが、その時は寒ブリの陰に隠れてしまう。
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【サバ専門店とは?】
さば寿司専門店「鯖や」と「さば料理専門店SABAR」。現在、あわせて全国15店舗でオープンされている。「さば料理専門店SABAR」のメニューはサバにちなんで38種類。500以上あるレシピの中から絞り込んだもの。季節のメニューもある。お昼の営業開始も11時38分(いいサバ)。とことんサバにこだわっている。
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【2025年に世界デビュー!?大阪サバ】
養殖しているのは、大阪府豊中市にある、とある駅から徒歩1分の雑居ビルの中。なぜそんなところで育てているかというと、一つは意外性。海が再現されている感じなので、「こんな駅前のビルに海があるのか」というインパクトが良いと思った。海の水を汲み上げているわけではなく、水道水に人工海水の素を入れて、排水を一切出さない閉鎖循環型。そのため場所を選ばずどこでも養殖できる。しかし、まだまだ商業ベースにのせるには採算が合わない。もうひとつのメリットは、寄生虫のアニサキスがいないこと。サバといえばアニサキスというイメージがるが、これはアニサキスが付着している海の中の小魚や置き網を食べるため。陸上で養殖すると、陸で生まれた卵から孵化したサバを陸で養殖するのでアニサキスが入ってくる経路がない。だから、安心して生で刺身を食べることができる。
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【大変だったこと】
サバは国民食で身近だが、他の魚よりも動き回る。また、鱗がないので非常にデリケートで傷つきやすい。すごく臆病なので音や光でも飛び跳ねて、壁などにぶつかって死んでしまう。だから今までサバを陸で飼うということをほとんどの人がしてこなかった。そこをクリアするのが大変だった。研究開発しだしてから完成まで3年ほどかかった。卵から孵化して食べるまでは1年3ヵ月ほどかかる。
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【大阪サバの味は?】
海のサバとの大きな違いは臭みがないこと。また、脂ののせ方もある程度エサでコントロールできる。そのため、1000匹単位でオーダーメイドできる。
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【私たちの食卓にはいつやってくる?】
あと2~3年はかかりそう。できれば2025年の大阪・関西万博までに、完全閉鎖型でアニサキスフリーのサバを出していきたい。2025年に販売される万博弁当のラインナップに入っている。豊中代表として選んでもらった。
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【なぜ大阪サバは大阪人にとって400年にわたる悲願なのか?】
400年以上前、戦国時代から江戸時代に遡る時代の話。若狭湾でとれるおいしいサバを福井県小浜市から京の都へ運んでいた。一昼夜かけて良い塩梅となることから“鯖街道”と呼ばれていたが、その先の大阪に運ばれることはなかった。太平洋側なのでサバ自体はとれるが、若狭湾ののサバは別格、京都の貴族が絶賛したこともあり、大阪人のサバへの憧れが増したといわれている。右田さんは、鯖街道の入口の小浜、出口の京都・出町柳にもお店を出しているので、鯖街道をなぞっている。
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【右田さんに聞く!サバの豆知識!】
サバには真サバ、ごまサバ、ノルウェーサバという3種類がある。日本は主に真サバとごまサバの2種類。夏の6~8月に旬を迎えるのがごまサバ。どちらかと水っぽくて身が柔らかいので、煮つけなどに適している。9月以降~2月に旬を迎えるのが真サバ。しめサバやお刺身に向いている。見分け方は、ごまサバはおなかのところに胡麻のような点々がある。10月以降の真サバが美味しい。右田さんの一番好きな食べ方は握り寿司。しめて8時間~10時間以内で握り寿司にすると、身がコリコリして、ちょうど良い塩梅で脂が回って美味しい。
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【今後の展望】
感動を与える生サバを一人でも多くの人に味わってもらいたいので養殖をやっている。アニサキスのリスクもあり、生サバを食べられないと思っている人も多いと思うが、安心して食べることができれば、自然と飲食店やレストラン、寿司店に入って皆さんが当たり前のようにサバのお刺身や握り寿司を食べる景色を作りたい。
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エンディングで「さば料理専門店 SABAR 浜松町大門店」の人気メニュー「とろさば棒寿司 竹」を試食させて頂きました!村上さんの感想は「お酢の感じも強すぎずおいしい!さっぱり!脂の感じもちょうど良くてめちゃくちゃ上手い!」とのことでした。確かに、上品でとても美味しかった!サンマやブリの陰に隠れてあまり日の目を見てこなかったサバがこれから右田さんによって変わるかも…!2025年の大阪・関西万博が楽しみです!
坂口愛美

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「経済初心者」の村上信五が、ゲストの方に教えを請いながら 「お金」に強くなってゆく番組です。 「お金持ち」しか持っていない情報を イチ早く皆さんに提供できるよ…

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