「私が生きなかった私がここにある」女性信者を描く小説『ヒロイン』にナゼ阿佐ヶ谷姉妹が夢中になった?

「私が生きなかった私がここにある」女性信者を描く小説『ヒロイン』にナゼ阿佐ヶ谷姉妹が夢中になった?

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テロを起こした宗教団体の女性信者を主人公に、17年にわたる逃亡劇を描いた小説『ヒロイン』の作者・桜木紫乃さんが10月30日の大竹まことゴールデンラジオに出演。執筆の舞台裏を伺った。

大竹「今回の小説『ヒロイン』、いやーすごいと思って、阿佐ヶ谷姉妹も読んだんだよね。」

阿佐ヶ谷姉妹・江里子「わたくし達も読ませていただきました。もう夢中になって、一気に5時間ぐらいで、ババババと、読ませていただきました。」

阿佐ヶ谷姉妹・美穂「話しに一緒に入ったような気持ちになってました。」

江里子「まずプロローグから衝撃的な始まりで。そこから時間が戻っていくというか。そしてラストに向けて進んでいく17年の遍歴がドラマチックだし劇的なんだけれど、日々の生活が絡み合っていて、あっという間に読めたという感じです。」

大竹「俺一瞬、この主人公は阿佐ヶ谷姉妹かと思ったよ。」

スタジオ(笑)

江里子「今回、資料など拝見しましたら、主人公にあたるテロ事件を起こした宗教団体の女性信者の方は、現実でもそれを思わせるような方もいらして。実際に同じような形で長らく逃亡されてて捕まったとき、ちょっとだけ阿佐ヶ谷姉妹に似てるなっていう、お話があったんですよ。」

桜木「その時ね、丁度私も似てるって言われてたんです。」

江里子「ちょっとメガネをしていてみたいな。」

美穂「おかっぱの人だったりしてね」

江里子「私達と全く一緒でもないんだけれど、一人の女性としては、急にそうなってしまう何か、みたいなものを感じるみたいなのはありましたね。」

桜木「人間どこで足を踏み外すかわからないっていつも思っていて。いろんな逃亡した人の資料をいっぱいもらったんですけど全部捨てたんです。その方の資料もあったんですけど、全部捨てました。本当の事なんてどこにも書かれてないし。リアルじゃなくリアリティだから、小説は。だから私なりの仮説を立てようと思って、答えが欲しくて書いたものだったんです。」

大竹「リアルの中にリアリティがない。」

桜木「それで完結しちゃいますもんね、リアルはね。」

大竹「この本の最初に、最後辺りの話がドーンと出てくるじゃない?それで読む方は、辿り着く場所が大体想像つくと思うんだよね。普通だったらさ、ミステリーだったらさ、結末がそうだっていうんだったらさ、分かっちゃうじゃない。でも、これ関係ないんだよね。この辺がちょっとすごいなと思った。どうしてこの話を書こうと思ったんですか?」

桜木「編集者が、17年間逃げてた女を書いてくださいって。編集者には明確にモデルがいたと思うんですが、その人を書いても私としてはつまらないわけで。殺し文句というのが、「私の生きなかった私の人生を、もう一つの人生を書いてください」。もう最高の殺し文句で。作家殺すの、やっぱ言葉ですよね。かなわないですね、頭上がらないです。

江里子「私たちが生きなかった、私がここにあるっていう感じがしました。」

「大竹まこと ゴールデンラジオ」は午後1時~3時30分、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。 radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

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