【お天気気象転結】硫黄島で雨にうたれて……

【お天気気象転結】硫黄島で雨にうたれて……

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文化放送メールマガジン(毎週金曜日配信)にて連載中の「佳子・純子のお天気気象転結」。気象予報士の伊藤佳子記者・鈴木純子アナウンサーが、毎日にちょっと役立つお天気情報をお届けしています! この記事では全文をご紹介。

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▼4月11日配信号 担当
伊藤佳子

今週月曜、取材で硫黄島に行かせていただきました。
一般人はなかなか足を踏み入れることができない場所です。都心からは1200キロ南下した位置にあり、面積は北区と同じくらいのおよそ21㎢、亜熱帯海洋性気候で、年平均気温は24度です。

私達一部メディアは早朝埼玉県の航空自衛隊入間基地に集合、C2輸送機に乗せていただき硫黄島に入りました。

2時間ちょっとのフライトですが、これも初めての体験。2週間前に痛めたぎっくり腰が完治していないので、念のため湿布にロキソニンを飲んで乗り込みました。音はなかなかの大きさで耳栓をしている人もいましたが、ほとんど揺れずに到着。
蒸し暑いイメージのある硫黄島は雨、次第に本降りになり風も強めに吹いて、体感温度は3時間前までいた入間基地と変わらない。日中も気温が20度に届くかどうかで、濡れると肌寒く感じるくらいでした。


▲島民平和記念墓地公園の祈りの塔 

予報では昼頃から「曇り」、少しでも荷物を軽くしたいと傘やカッパを持たずに乗り込んだために、下見の段階でずぶ濡れになり、見かねた他社さんが傘を貸してくださいました。(感謝!)
天山慰霊碑のある丘から見渡すと、所々煙がのぼっています。火山性ガスが噴出しているのです。もちろん独特の硫黄の匂いが漂っています。
取材した「鎮魂の丘」には、椰子の実がたわわに実っていて、ガジュマルの木がこんもり盛り上がっている場所は、旧島民の集落があった所だと教えて頂きました。1000人を超える人が生活していた時代もあったのです。


▲ガジュマルの木


▲椰子の実

ご存知のように硫黄島は太平洋戦争の激戦地であり、日本兵約2万1900人、軍属の島民82人、アメリカ兵約6800人が戦死した地で、いまだ1万を超える遺骨が収集されていません。


▲硫黄島戦没者の碑


▲壕の入り口・当時地下壕は全長18キロあったそうです

この日取材した、東京都遺族連合会の宇田川会長は「一番大事なことは二度と戦争をしないこと。平和な日本でなくてはいけない。若い人によく考えていただきたい」
日本戦没者遺骨収集推進協会の水落会長は「今年度は4回、硫黄島に遺骨収集団を派遣する。南方のソロモン諸島などはご遺骨が土に返っていて難しくなっている。戦没者の孫など若い学生の団体を優先して派遣するようにしている」と話してくれました。
80年前に硫黄島で起きたこと、忘れてはいけないことですね。

気象予報士 防災士 都庁・気象庁担当記者 伊藤佳子

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