
ラジオ特別企画 全国ラジオ局による一斉同時放送【アーカイブの森 探訪記#53】
アーカイブ探訪記、今回は過去に行われたラジオの特別企画にフォーカスする。
取り上げるのは昭和38年11月3日に放送された、
<全国ラジオキャンペーン”ラジオの集い”>「日本の教育者」である。
この番組は、全国48社のラジオ局により1時間半の一斉放送が行われた。
概要はこうある。
全国十地区の日本の子供達が、どう学び、暮し、教師がそれを如何に取り上げているか、
実践報告を基調にして構成する。
この特集番組は日本全国に散在し、その地方の特殊状況下で、
どう実践し、考え、苦悩しているか、現場教師の証言の中から考えてみる。
日本各地の教育について、教師への取材を通して
地域の教育のあり方や、その問題点について考えるといった内容だ。
さらに、この番組の特徴的な部分は、
北は北海道、南は九州まで、
全国10地域それぞれを代表する各局が10分以内の特集を制作し、
文化放送が総編集し、放送時間1時間30分を構成するというものである。
例えば、
中京工業地帯を擁する中部地区では、
高度化する産業に対して立ち遅れた産業教育の問題について。
北陸地区では石川県小松市の小学校に焦点を当て、
自衛隊小松基地の騒音問題と防音教室の設置についての実態を取材。
四国地方では、瀬戸内海にある離島の分校について、
離島特有の問題、いかにして若者が生活できるような基盤を作るか
そうした課題に取り組む教師を取材している。
各10分以内という短い時間でありながらも、
各地域のラジオ局が制作することで、より各地域の深くまで入り込んだ
教育の形、課題について取り上げられていると感じた。
また、この番組が全国ラジオ局48社にて一斉放送されたことには
とても意味のあることだったと感じられる。
ということで今回は、ラジオで行われた特別企画について取り上げた。
全国のラジオ局がそれぞれ特集を制作するという形で、
一つの局が制作するよりも、より濃い内容の番組になっていた。
この時は教育についてだったが、
他にも様々なテーマで同様の特別番組が制作されても面白いだろうと感じた。
それでは、今後も文化放送に眠る資料から、
気になる話題をピックアップしていきますので、更新をお楽しみに!!
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