2030年、環境とエネルギーの未来を考える#1『浜松町Innovation Culture Cafe』

2030年、環境とエネルギーの未来を考える#1『浜松町Innovation Culture Cafe』

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18世紀の産業革命以降、人間は石油や石炭などの化石燃料を燃やし、たくさんのエネルギーを得て経済を成長させてきました。その結果、大気中の二酸化炭素濃度が急速に増加し、地球温暖化という深刻な問題を引きことしているのは誰もが知る事実でしょう。すでに世界規模で様々な影響が起きており、洪水や海面上昇、食糧不足、生態系の崩壊など深刻な問題となっています。具体的な数値で示すと、2050年には食糧不足で小麦の価格は3倍、米の価格も2倍以上に高騰する、2080年までに海面は40cm程度上昇する、2100年までに北極海の海氷は消滅する、などとも言われています。このままでは取り返しのつかない事態に陥る可能性があります。そうならないためにも、二酸化炭素の排出量を減らし、地球温暖化を食い止める必要があります。

 

日本では菅義偉内閣総理大臣が2020年10月の臨時国会所信表明演説において、2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、すなわち2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指すことを宣言しました。カーボンニュートラルとは、人間活動によって排出される温室効果ガスを、人間活動によってすべて吸収・除去することで、排出量をプラスマイナスゼロにすることを意味します。そして、カーボンニュートラルが実現された社会を脱炭素社会と呼びます。

 

さて、日本の年間12億トンを超える温室効果ガスの排出を、2050年までに実質ゼロにするためにはどうすれば良いのでしょうか。まず大前提として、人間活動により排出される温室効果ガスを可能な限り削減する必要があります。温室効果ガスを排出する主な原因は石油や石炭などの化石燃料を燃やしエネルギーを得る家庭にあるため、節電や省エネ家電などでエネルギー消費量を削減すること。その他二酸化炭素を排出しない再生可能エネルギーへの転換、植物を原料とするバイオマス燃料や水素燃料、合成燃料といったクリーンな燃料へ切り替えも挙げられます。その上で、削減しきれずに排出されてしまった分を吸収・除去しなければなりません。植林や、大気中から二酸化炭素を除去するネガティブエミッションと呼ばれる技術などがあります。まだ実用化されていない技術も今後多く出てくるかもしれません。テクノロジーの進化に期待しながら、我々個人も明るい未来のためにできることを続けていく必要があるでしょう。

 

様々な社会課題や未来予想に対してイノベーションをキーワードに経営学者・入山章栄さんが様々なジャンルのトップランナーたちとディスカッションする番組・文化放送「浜松町Innovation Culture Cafe」6月29日の放送では、‪ 株式会社イノカCEOの高倉葉太さんと、東京ガス専務執行役員の岸野寛さんにご参加いただき「現在の取り組み」から「企業が今できること」について熱いトークが繰り広げられました。

現在の取り組み

高倉 イノカが取り組んでいる「環境移送」とは、環境を切り取ってどこにでも移送できるという技術です。この技術を使って、死滅の危機にあるサンゴ礁を守るべく、地球の医者になることに注力しています。東京であらゆるサンゴの研究や、海では出来ない新しい研究をしています。

 

岸野 東京ガスでは、2030年に向けて3つの挑戦を掲げています。1つ目は「CO2ネットゼロをリード」。2つ目は「価値共創のエコシステムの構築」。エネルギーだけでは会社は成長できません。ビジネスパートナーと新しいビジネスを生み出していく必要があります。3つ目は「LNG(液化天然ガス)バリューチェーンの変革」。パイプラインでしっかり儲け、小売ではバリューチェーンそれぞれで利益を出す必要があります。

企業が今できること

高倉 地球温暖化が減ることで、何がどう守られているのかというイメージを持てていないので、企業は新しいルールを無理やり課せられていると感じてしまっています。価値が変化していく今のタイミングを逆手にとって、新しいビジネスを作るチャンスです。

人間が作ったテクノロジーが環境を壊してきたのも事実ですが、それを守るのもまたテクノロジーです。我慢する方向に萎縮するのではなく、新たな技術で地球と共生する未来を作っていくべきだと思います。

 

岸野 企業ごとに独自の取り組みがあって良いと思います。我々が取り組まなくてはならないのはCO2の出ないメタンガス(天然ガス)ですね。メタンガスが燃えると水とCO2になります。ここを無くすため、空気中から回収したCO2と水素を合成させるとメタンガスと酸素になります。このメタンガスは空気中のCO2から作っているので、燃やしてCO2を出したとしてもカーボンニュートラルです。今はまだ現実的ではありませんが、2050年に向けて挑戦していきたいです。

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