中島岳志「中国は高市答弁の何に怒っているのか?」

中島岳志「中国は高市答弁の何に怒っているのか?」

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高市総理の国会での答弁をきっかけに日中関係が急速に冷え込んでいる。1118日の武田砂鉄ラジオマガジン(文化放送)」東京科学大学教授の中島岳志中国が何に対して怒っているのか解説した

中島「高市総理が台湾有事を想定した答弁をして今、日中関係が非常に難しい状態になっています。この問題はどんどんエスカレートして長期化していくとみられています。 

どういう答弁を高市さんがしたのかというと、11月7日の衆議院予算委員会での 答弁なんですが、まず台湾に対し中国の武力攻撃が発生するということを想定しました。 

その際海上封鎖を解くため米軍が来援し、それを防ぐために中国側が武力行使をした場合、艦船を使っての武力行使を伴うものであれば、どう考えても存立危機事態になりえるケースだと述べました。これが中国側の大きな反発を招いているというわけです。 

こういうシミュレーションというのは当然のことながら、専門家の間や政府でやってきたことなんですけれど、総理がわざわざ国会で発言するなんてことは、 これまでしてこなかったんです。なぜかというと中国にとって台湾問題というのは 国内問題であるので国内への干渉にあたるという立場をとっているからです。 

日本政府も1972年、田中角栄内閣が日中共同声明で台湾は中華人民共和国の領土の 不可分の一部とする中国の立場に対して、十分に理解し尊重するという宣言を しているんですね。これによってお互いの暗黙知というのが築かれてきた外交上のルールだったんです。ところが高市さんがこの問題に発言をし、さらに存立危機事態ということ なので日本も集団的自衛権の行使をしますと国会で言った。

このことを中国は 怒っているんです。さらに詳しく中国側は何に怒っているかというと日本は日中間の 暗黙のルールを共有できないんですかということ。

これまでずっと自分たちが積み上げてきたことを無視するんですね、それでは日本は信頼できない相手ですよというのが中国側の怒りだと思うんですね」 

 

番組では、この他にも中島岳志が中国が何に対し怒っているのかを解説していますもっと聴きたいという方はradikoのタイムフリー機能でお楽しみ下さい。 

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