現代の人が抱える「お金の不安」。その原因と理由を探る
大竹まことがパーソナリティを務める「大竹まことゴールデンラジオ」(文化放送・月曜日~金曜日11時30分~15時)、11月26日の放送に元・金融トレーダーで作家の田内学が出演。10月に発売した著書『お金の不安という幻想 一生働く時代で希望をつかむ8つの視点』にちなみ、現代の人が抱える「お金の不安」について語った。
大竹まこと「今回の御本は『お金の不安という幻想 一生働く時代で希望をつかむ8つの視点』といいます。内容は密なことになっています。経歴を見させていただくと、ゴールドマン・サックス証券株式会社に入社と」
田内学「もともとは庶民というか。うちがそば屋だったんですよ。親が中卒で、厳しい家庭でした。一発逆転するために『おまえ東大に行け』と言われて、がんばって入ったという感じです。自分が勉強していく中で感じたのは、基本、いい教育を受けられるのって親が裕福なところばかりなんですね」
大竹「そうですねえ」
田内「いまの時代、人生逆転するのってなかなか難しいな、とすごく感じて。学校でいろいろな話をするんですけど、公教育などを底上げしないと昔の自分みたいな人たちを救えないな、という気がします」
大竹「お金のことをお聞きします。御本に『誰もがお金の不安を抱えている』と書かれていますね。私たちは大丈夫か、老後は2000万円ないと暮らせないのか、それならNISAで増やしてみよう、など皆、考えています」
田内「やはり資本主義のシステムの話になると思うんですね。公助や共助よりも自助、お金でいろいろな問題を解決しましょうと。昔なら老後の問題、周りの人に頼ろう、というのがあったでしょうけど、それがお金で解決しなければ、となる。2000万円という具体的な数字が出てくると、『金融商品を買ってもらうとこんないいことありますよ』と。ところがおそらく多くの人が『そう言われても資産運用しているお金もない。物価だって上がっている』という思いを抱いている」
大竹「はい」
田内「まず、なぜお金の不安が出てくるのか。整理する必要がある。そういう話を前半で書いているんです。もともとの問題って少子高齢化が厳しくなっていって、将来、働いてくれる世代が減ってきますね。すると足りなくなるのはたとえば農業者人口。高齢化するとコメも少なくなる、介護する側も減る。そっちが増えないことには問題解決しないでしょう。公助でうまくいかないから自助にする。でも皆がお金を貯めたら何が起きるかというと、モノが足りなかったら価格が上がるだけ。インフレが起きる。イス取りゲームになる」
大竹「そうですねえ」
田内「いま『株価が上がっています』『NISA万歳』。それでどうなるか。株価が上がったからとコメの量が増えるわけでも、介護施設が増えるわけでもない。よりお金がある人が行けます、株を持っている人がそういうところに入れます、と。余裕のある人がお金を出すというから、価格は上がる。普通の、投資できない人は困る、ということが起きている」
大竹「2000万円といわず、もっと持っていなければと。値は上がるわけだから」
田内「本の中で『現代版アリとキリギリス』という話を書いています。いわゆる『アリとキリギリス』は、食料を貯めておいて将来、それを食べればいいじゃん、と。それで問題を解決する。ところが食料がお金になったとき、解決するか。お金を払えば誰かが冬場に働いてくれるんですか、働いてくれなかったらどうにもならない。物価は上がる。そういう問題が隠されてしまっている。皆さん、自助でがんばってください、資産運用がんばってください、という雰囲気になっているのが怖いな、と思うんですね」
「大竹まこと ゴールデンラジオ」は午前11時30分~午後3時、文化放送(FM91.6MHz、AM1134kHz、radiko)で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。
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