SNSで選挙の景色はどう変わったか
ニュースキャスターの長野智子がパーソナリティを務める「長野智子アップデート」(文化放送・月曜日15時~17時、火~金曜日15時~17時35分)、1月8日の放送にノンフィクション作家の常井健一が出演した。竹内英明・元兵庫県議が命を絶ってから1年となるのを前に、改めてその教訓を語った。
常井健一「昨年、SNS選挙と呼ばれた言葉の裏側で、デマに基づく陰暴論や排外主義が蔓延(はびこ)って、街なかで公然と人権侵害が行われた。その事実を忘れてはいけません」
長野智子「はい」
常井「いま『陰謀論と排外主義 分断社会を読み解く7つの視点』というタイトルの新書も売れているみたいです。SNS選挙の怖さをようやく我々は冷静に受け止めよう、という入口まで来たんじゃないか。ということで今回、1人の政治家(竹内英明・元兵庫県議)がSNS上のデマによって自殺に追い込まれた事件の教訓を、ご遺族の肉声から皆さんと確かめておきたいと思います(昨年末、竹内氏の配偶者にロングインタビューを行っている)」
長野「昨年も常井さん、『選挙の景色が変わった』と話していましたね」
常井「これまでの選挙はリーダーとしての資質や政策を競い合う場でした。政(まつりごと)といわれるように、選挙は政治のあり方を前向きに、明るく訴える空間でした。もちろん舞台裏では激しい攻防もあります。ただ憎悪や怨念はオブラートに包み込むんです。だからこそ政治家の言葉は磨かれてきた。ここ数年、特に昨年から選挙の景色が暗くなった」
長野「はい」
常井「むき出しの憎悪が街なかやSNSであふれてきた。選挙をやればやるほど社会の空気がすさんでくるのでは、と思えてくる。以前なら泡沫扱いで自然に淘汰されていたような言説が、SNSによって拡散されて力を持つようになった。報道のプロなら明らかにデマとわかる話でも、ネットなら『一理あるんじゃないか』『真実なんじゃないか』と唱える言論人が支持を受ける。ある種のお墨付きになっていると」
長野「影響力のある人がそうしている、という例もありました。その象徴が2024年11月の兵庫県知事選となりますかね」
常井「はい。あのときのNHK党の立花孝志被告が落下傘候補として兵庫県知事選に登場して。事実上、斎藤知事を応援する2馬力選挙を展開しました。有名な事例は、対立する奥谷さんの自宅前に支持者を集めて『出てこい』と叫ぶ異例の街頭演説。あの中で『次は竹内だ』と名指しされた。竹内県議が攻撃の対象となるきっかけでした」
長野「改めてですけど、竹内さんはどのような政治家でしたか?」
常井「百条委員会で斎藤知事を追及する姿で知られた県議だと思います。当時50歳、姫路市の選出で当選5回を重ねるベテランでした。政策通で財政にも詳しい。学生時代から国会議員の秘書で雑巾がけをして、故郷の姫路に戻ってからも複雑な政治状況の中で市民の根強い支持を積み重ねてきたと。彼の原点というのは阪神淡路大震災です」
鈴木敏夫(文化放送解説委員)「はい」
常井「二十歳だった竹内さんは東京の大学に通っていたけど神戸に駆け付けて1ヶ月間、ボランティアを行った。寝袋で寝て。それが政治の道につながって、30代で兵庫県議になって。毎年、神戸での『阪神・淡路大震災1.17のつどい』にもずっと参列してきた」
鈴木「東遊園地のね」
常井「昨年だけは震災から30年だったけど竹内さん、行けませんでした。その翌日に命を絶ったわけですね」
このあとは竹内元県議が、攻撃の標的にされてしまってからの状況について常井が語った。詳しくはradikoのタイムフリー機能で確認できる。
「長野智子アップデート」は毎週月曜午後3時~5時、火曜~金曜午後3時~5時35分、文化放送(FM91.6MHz、AM1134kHz、radiko)で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。
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