犯罪者も探し出す…アメリカ政府も使うパランティア社の「ヤバさ」とは?
フリーライターの武田砂鉄が生放送でお送りする朝のラジオ番組、『武田砂鉄 ラジオマガジン』。4月13日は、月曜レギュラーでドイツ出身の翻訳家・エッセイストのマライ・メントライン氏と、アメリカのパランティア・テクノロジーズ社についてトークを繰り広げた。
マライ「今日は、「パランティアのヤバさ」っていうテーマなんですけど、この「ヤバい」は、すごいっていう「ヤバい」と、危ないんじゃないのっていう「ヤバい」のどっちの意味でもとれます。『パランティア』とは、つい最近まで利益を出していなかった企業なんですね。なのに、わずか5年で株価が1800%も上昇しました」
武田「1800%上昇ってヤバいっすよね」
マライ「(笑) 時価総額は約4000億ドルで、これはもう本当にビッグプレイヤー並なんですよ。なのに社員がとても少ないんですね。4000人しかいないので全然大手とは違うので、どうなってるんだろうと。これは最も先進的で、危険で、強力で、革新的で、あと物議を醸す会社でもあるんじゃないかなと私は思ってるんですね。それがパランティア。名前はよく聞くんですけど、結局この会社って何をやってるのか? あと、なんで危険な会社かもって言われているのかすごく気になっていたので、ちょっと調べたんですね。
まずパランティアってどういう意味なのか、語源は『ロード・オブ・ザ・リング』から来ているんですね。その中でパランティアは、遠く離れた場所を見ることができる水晶のこと。要するに、可視化するんですね。だから、情報を可視化するのがパランティア社のミッションなんですね。日本でもパランティアと連携している企業があるんです。例えば『SOMPOホールディングス』は保険のリスク分析とかデータ活用で使っています。あと『富士通』、『住友商事』、『楽天グループ』とか、要するにAIを持ってるので、それをデータ管理とかに使ってるんですね。ドイツでもいくつかの州では警察が捜査のために使ってたりしています。
では、パランティアはどこから現れたのか? パランティアは2003年に設立した、データ分析、システム防衛の企業なんですね。ルーツは『ペイパル』にあります。オンライン決済サービスですね。この会社を作ったのがドイツ系アメリカ人のピーター・ティール。ドイツ語でいうとペーターですね。彼が2000年代初頭に、共同創業した会社です。オンライン決済なので、やっぱり安全性が気になるわけです。だから、不正取引防止のために、不正を事前に感知して防止するための分析ツールを開発させたんですね。それがやがてパランティア・テクノロジーズの設立に繋がるんですよね。『ペイパル』で不正を見抜けるのであれば、テロとかを分析するためにも応用できるんじゃないかと、彼は考えたんですね。だからパランティア社が何を提供するのかというと、安全を約束する価値なんです。
パランティアの主力商品は『ゴッサム』っていう名前のソフトです。この語源はバットマンの世界ですよね。ゴッサム・シティという犯罪者が好き勝手している、“負のニューヨーク”みたいな場所です。パランティアのゴッサムは監視分析ソフトで、例えばソーシャルメディアとか、画像とか、通信データとか、メッセージとかさまざまな情報源のデータを統合します。そして、普通だったら人間が頑張って分析するんですけど、それを自動化して、人間が多分発見できないような関連性を見つけて、不要な情報を排除して結果だけ出すんですね。この手法はデータマイニングと呼ばれています。隠れた関連性を掘り起こすんですね。だから、犯罪者を探すためにも使えるわけなんです。実際にCIAとかアメリカ軍や、もうアメリカ政府が顧客になっていて、どんどん勢力を伸ばしてきたわけです。実際に、2009年には中国のサイバー戦ネットワークの存在を明らかにしたことで、すごく有名になりました。私が調べた中では、2011年にオサマ・ビンラディンの追跡にもパランティアの技術が関与したんじゃないの?っていう説もあったりします。ただ、これは非公式です。会社でも肯定も否定もしていない。なんか、ちょっと怪しいですね」
武田「否定してないっていうところがね」
マライ「そして今、ウクライナとかイスラエルでも、軍事分野のデータ分析に使ってるわけなんですよ」
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