アメリカの計算どおりにはいかないイランの内側
大竹まことがパーソナリティを務める「大竹まことゴールデンラジオ」(文化放送・月曜日~金曜日11時30分~15時)、4月30日の放送に慶應義塾大学教授の田中浩一郎が出演。長引くアメリカ、イスラエルによるイラン攻撃の問題について解説した。
大竹まこと「近ごろ、田中さんをテレビで見ない日はない。最高で1日何本ぐらい出ていますか?」
田中浩一郎「テレビというか最近はネット番組もあるので。合わせて10本を超える日もあります」
大竹「忌憚のないご意見をお持ちで。無謀なアメリカの攻撃にしっかり批判的なスタンスでモノをおっしゃっています。この問題が長引いて。トランプ大統領は、もっと早く収束するつもりで始めたのでは?」
田中「アメリカ、イスラエルはそうだと思います。私もイランの抵抗、抗戦能力がここまで延命できるとは思っていなくて。ミサイルなんかを撃ち尽くすのに最初の2週間ぐらいが限度だろう、と。たぶんアメリカもそういう計算だったのでしょう。あにはからんや、そうはいかなかった」
大竹「はい」
田中「要因の1つはアメリカ側、イスラエルも含めて、自分たちが攻撃して潰したと思ったものが意外と少なかった、ということ。その裏でアメリカ側が事前に掌握していた、イランのミサイル基地なんかが、全部は数に入っていなかったのかな、イランのことをわかっていなかったのかな、と」
大竹「イランは山の中に基地をつくって。アメリカはそういうのが見えていなかった」
田中「はい。ただミサイル基地って攻撃用のものは基本、隠しますからイランが特別なことをしているわけではない。衛星で見るなどして充分にわかっていると思っていたけど、そうではなかった」
青木理「当初、ハメネイ氏が殺害されたあとに、トランプさんは『民主化のための大統領がここにいるんだ。皆、蜂起したまえ』みたいなことを言った。民衆が蜂起して、イランの体制が変わる、というぐらいのことを考えていた、ととらえていいんでしょうか?」
田中「間違いありません。年末から今年正月を超えて、1月の半ばぐらいまで、イラン各地で暴動がけっこう広がって。治安当局と衝突もあり。数千から1万人ほどは殺されたのでは、といわれます。国民の間で不満も高まるから、軍事攻撃を仕掛けて中枢部を叩けば民衆が蜂起して、体制が一掃できる。そういう絵図を描いていたと思います」
青木「田中さんはイランの日本大使館の専門調査員もされていたので、ぜひお聞きしたいんです。トランプさんがそう思ったのは甘いにしても。イランの民衆は、これを機に民主化してほしい、と思う人もいるでしょうけど、あのように最高指導者を殺されれば、多くの人は『ふざけるな』とも感じる。イランの一般の人は、どう反応するんでしょうか?」
田中「たぶん外から介入を受けることをいちばん嫌うんです。イランの200年ぐらいの歴史の間で、それこそ帝政時代のロシア、そのあとのソ連、イギリス。そしてアメリカと、やりたいようにやられてきた。いまのイスラム共和国という体制ですら、体制を嫌う人の中には『外国の傀儡でつくられたものだから』という人もいる」
青木「うん」
田中「外国から攻撃を受けて、尻馬に乗って騒いで。新しい体制ができたとして、これって本当に自分たちのものなのか、という疑念は常に持つことになると思います」
「大竹まこと ゴールデンラジオ」は午前11時30分~午後3時、文化放送(FM91.6MHz、AM1134kHz、radiko)で放送中。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。
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