精子提供で生まれた子が求めた「父の認知」 最高裁逆転判決を三輪記子が解説
フリーライターの武田砂鉄が生放送でお送りする朝の生ワイド「武田砂鉄ラジオマガジン」(文化放送)。5月28日(木)8時台のコーナー「ラジマガコラム」では、木曜前半レギュラーの弁護士・三輪記子さんが、弁護士・三輪記子さんが、2年前の最高裁判決を題材に、ちょっと特殊な家族とジェンダーの裁判を紹介した。
三輪記子「今日のテーマは『父は男性? 母は女性? 家族とジェンダー』というテーマでお話ししたいと思います。
これは私が戸籍、性別で判例検索をして遭遇した、あるニュースなのですが、このニュース自体はですね、最高裁の2024年の6月21日の判決なので2年近く前のニュースです。
どういう内容かというと、精子提供を用いた生殖補助医療により生まれた子供たちが、性同一性障害特例法に基づいて、性別を女性とする審判を受けた女性に対して、認知を求めた事案なんです」
武田「うん」
三輪「で、どういう風に判断したかっていうと、今の性別は女性であるその人に対して、その人は生物学的には父だから認知が認められるよっていうことで、父子関係を認めたんですよ、最終的に。
なんですけど、第1審と第2審と最高裁とで、全部判断が違うんです。
まず、第1審の判決から事案の概要を見ていきますと、原告は子供2人です。第1子と第2子。
この子供たちの戸籍上は、父の欄が空欄になってたんですね。なので『この人が父ですから認めてくださいよ』っていうのが認知請求なんですけど、認知請求を求めたんだけれど……っていう事案なんです。
時系列でどうなってるかっていうと、まず第1子がその精子提供によって誕生するんですね。その後に、お母さんとこの精子提供者である父が結婚して、その後離婚したんです。
で、その後、子供たちの、この精子提供者である生物学的な父・お父さんが、性同一性障害特例法に基づいて女性への性別の取り扱いの変更の審判を受けて、これが確定しました。
まず第1子誕生、父母結婚離婚、その後、性別変更が認められて確定。さらにその後に第2子が生まれてます」
武田「うん」
三輪「で、2020年(令和2年)に、第1子とお腹の中にいた第2子を認知するよっていう届け出を出したところ、この認知届、各認知が無効ということで、認知届けが不受理となったんですね。
この認知届けが不受理とされた理由っていうのが3つあるんですけど……、
1つ目が、女性への性別の取り扱いの変更の審判を受けた人について、審判後、審判が確定して女性になった後に認知っていう身分行為をしてるんだけれど、そのような父子関係を創設することは、この性同一性障害特例法の規定に反するから、
これはまあ女性による認知だから、これを認めることはできないっていう理由。
次に、この特例法の性別変更の要件に、『現に未成年の子がいないこと』っていう要件があるんですよ。で、この要件があるのに、この認知を認めると、結局この特例法に反することになるよねと。
だからこれを認めると、未成年の子について『女である父』を認めることになって、一方当事者はそういうこと予定してないよね、っていうのが2つ目の理由。
そして母……この母というのは実際に分娩した人だから、この認知を求めている人は女性なんだけど、母による認知ではないと。
なぜなら実際に分娩してないから」
武田「はいはい」
三輪「で、これDNA鑑定の結果が証拠として提出されていて、認知を求めている彼女が『生物学的父である』っていう確率は99.999999%あるっていう風に、もうそこは立証されてるんですよね。
そういう理由で認知届けが不受理とされたから、だから裁判になったんですよね」
武田「これまでなかなか想定されてなかったケースかもしれないけれど、まあこれから想定されるであろうとされるケースでもありますもんね」
この後も、三輪記子さんはこの常識が揺らぐ難しい裁判について、詳細を熱く語っています。
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