SDGsを意味のあるものにするには#1『浜松町Innovation Culture Cafe』

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SDGsという言葉を一度も聞いたことがないという人は、ほぼいないのではないでしょうか。SDGsとは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称で、国連加盟国193ヵ国が、2016年から2030年の15年間で達成するために掲げた目標で、2000年に採択されたミレニアム開発目標(MDGs)を継承する目標とされています。MDGsが開発途上国の発展に焦点を当てた目標であったのに対して、SDGsは先進国も含めた各国が協力し達成する共通の大きな目標となっています。2015年9月の国連サミットで採択され、17の大きな目標と、それらを達成するための具体的な169のターゲットで構成されています。

 

17の目標は、以下になります。

 

1、 貧困をなくそう

2、 飢餓をゼロに

3、 すべての人に健康と福祉を

4、 質の高い教育をみんなに

5、 ジェンダー平等を実現しよう

6、 安全な水とトイレを世界中に

7、 エネルギーをみんなに そしてクリーンに

8、 働きがいも経済成長も

9、 産業と技術革新の基盤をつくろう

10、       人や国の不平等をなくそう

11、       住み続けられるまちづくりを

12、       つくる責任 つかう責任

13、       気候変動に具体的な対策を

14、       海の豊かさを守ろう

15、       陸の豊かさも守ろう

16、       平和と公平をすべての人に

17、       パートナーシップで目標を達成しよう

 

この中で、日本が特に達成度が低いとされているものの1つが、「5、ジェンダー平等を実現しよう」です。世界経済フォーラムが2021年3月に発表した最新のジェンダーギャップ指数(国別に男女格差の大きさを比較しスコア化した指数)によりますと、日本は世界156カ国中120位という結果で、前回の121位とほぼ変わりませんでした。これは先進国の中では最低レベル、アジア諸国の中では韓国や中国、ASEAN諸国より低い順位となります。この指数は、「経済」「政治」「教育」「健康」の4つの分野のデータから作成されており、日本は経済が117位、政治が147位で足を引っ張っていることになります。特に政治分野では、スコアは上がっているものの、順位は3つ下がっていました。これは世界各国がジェンダー平等に向け努力する中、日本が遅れをとってしまっていることを示しています。

 

日本は政治分野において女性の参加割合が低く、女性の国会議員は9.9%、女性大臣は10%に過ぎません。経済分野についても、女性管理職の割合が14.7%と低いこと、パートタイムの職に就いている女性の割合は男性のほぼ2倍であること、女性の平均所得は男性より43.7%低いことなど多くの課題が挙げられています。ただ、これらの課題を解決し本当の意味でジェンダー平等を実現するならば、数を同じにするという数値的なことではなく、それぞれの性別の本来の能力とは関係ない社会的構造として生まれた性別の役割の意識を根本から変えていく必要があるのだと思います。

 

様々な社会課題や未来予想に対してイノベーションをキーワードに経営学者・入山章栄さんが様々なジャンルのトップランナーたちとディスカッションする番組・文化放送「浜松町Innovation Culture Cafe」7月12日の放送では、連続起業家・ビジネスデザイナーの菊池紳さんと、講談「FRaU」編集長兼プロデューサーの関龍彦さんにご参加いただき「現在の取り組み」から「SDGsの本質をどう伝えるか」について熱いトークが繰り広げられました。

現在の取り組み

菊池 社会全体の自然科学に関するリテラシーが低いので、自然科学を中心に自分たちの暮らしやビジネスを再デザインする術を学ぶオンラインイノベーションスクール「ライフユニバーシティ」を作ります。知ることが増えると変えられることも増えるので、学びの場を作りたいです。

 

 30周年を迎える「FRaU」はワンテーママガジンで、SDGsの特集号も作っています。SDGs特集号の第1号は思った以上に反響が多く、潮目が変わったと言ってくださっています。ライフスタイルの提案を貫いています。SDGsもライフスタイルと捉えており、そうでなければ浸透しません。今回発売するSDGs特集号は「日本の宿題」をテーマに、ジェンダー問題やフードロス課題にページを割いています。

SDGsの本質をどう伝えるか

菊池 伝える時は切り取り方が大事で、人々のストーリーが積み上がって書かれているものは好きですが、主体が外の表現の物は違和感があります。

今は発信するより、学ぶことが大切です。あらゆるファクトを自分の目で確認した人はほとんどいないので、学びながら試していくフェーズだと思います。

 

 メディアで取り上げられる機会も増え、世の中に浸透するのは良いことですが、自分たちがどう伝えたいかを大事にしなければなりません。意味がわからずやっていても意味がないので、まずは知ることで共感のストーリーが増えていけば良いなと思います。

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