「人と同じじゃないことをやれ」—ユニークな企業ロート製薬に綿々と受け継がれる創業マインド

「人と同じじゃないことをやれ」—ユニークな企業ロート製薬に綿々と受け継がれる創業マインド

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30年を超えるコンサルタント歴の中で8000社を超える企業を見てきたNIコンサルティング代表の長尾一洋さんが、あるときは「孫子」の智恵を応用し、またあるときは「経営者としてのこれまでの経験」をもとにビジネスシーンでの課題をコンサルティングしていく番組・文化放送「孫子であきない話」(月19:30~20:00)

10月18日(月)は、ロート製薬株式会社の代表取締役会長 山田邦雄さんをゲストにお迎えしました。

1899年創業のロート製薬の4代目長男に生まれ、100周年という節目の年に43歳という若さで社長になったという山田邦雄さん。その時点で「10年経ったらワントップをやめて次の社長に交代する」と宣言し、実際に2009年からは代表取締役会長として現社長とともに経営の舵をとられています。

「一人だと手っ取り早いところもあるんですが、一極集中になってしまう。自分にないものを持っている人と二人三脚で行こうと決めました」という言葉に、リーダーとしての山田さんの魅力があふれています。自分への自信、他者への信頼、冷静で客観的な視点、そして、大きな包容力。そのようなリーダーシップは、どのように身につけられたのでしょうか。

灘中・灘高ではスキー登山部に所属、冬はスキー、夏は登山、春は雪山登山を楽しみつつ、卒業後は東京大学で物理学を専攻。「自然の真理を極めたい」という想いがあったそうです。ですが、ご本人いわく「この分野ではお役に立てそうになかったから」(笑)、ビジネスの世界で生きると決めてロート製薬に入社。当時ご健在だった祖父・輝郎氏から様々な薫陶を受けられました。新しいことをいろいろと始めるような才能のあふれた方で、常におっしゃっていたのが「人と同じじゃないことをやれ」。これは山田家代々に伝わるマインドだそうです。

山田邦雄さんがトップになられた頃、ロート製薬は全国的な知名度もあって「成功した会社」という意識が社内にはありました。「このままでいいんだ」という雰囲気が漂う中、「次の挑戦をしていかないといけない」と言い続けて、あらゆる挑戦を後押し。それが、現在も続く新規事業開拓や海外への展開につながっています。

かつて、日本にすごく勢いのある時代があったけれど、今では世界における日本の存在感は薄れる一方。「日本の持っている魅力や技術が、世界で生きるように」という想いで積極的に海外事業を拡大しています。また、細胞医療の分野では長寿に伴う老いや老化という課題解決に向けての研究に力を注いでいます。

「企業は生き物だ」という山田さん。「生きているからこそ勢いや流れは変化していく。生きている感覚をこれからも大事にしていきたい」という言葉が孫子の兵法にある「善く戦う者は、これを勢に求めて人に責(もと)めず」と呼応して、深く心に残りました。

 

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