吉崎達彦氏「バージニア州知事選がもたらすバイデン政権への影響とは?」~11月9日「くにまるジャパン極」

吉崎達彦氏「バージニア州知事選がもたらすバイデン政権への影響とは?」~11月9日「くにまるジャパン極」

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11月2日に投開票が行われたアメリカ南部バージニア州の知事選挙で、民主党候補のテリー・マコーリフ前知事を破り、共和党候補のグレン・ヤンキン氏が当選した。これを受け、エコノミストの吉崎達彦氏は11月9日の「くにまるジャパン極」(文化放送)で、この選挙の結果が今後のバイデン政権の今後に大きく影響するのでは、との考えを述べた。

野村邦丸アナ「最近のアメリカのニュースを見てみると、バイデンさんの支持率がどんどん下落していますよね」

吉崎氏「とうとう30%台の数字が出始めたんで、ちょっとこれは危ないなって感じなんですけど、ハッキリ言って大統領就任から半年間はわりと良かったけども、独立記念日の7月あたりからガタガタになってきちゃって、面白いことにその当時のコロナの感染者数もゼロに近くなっていて、そこからまたグワーッと上がっちゃったんですよね。ここへ来てまた感染者も少なくなってるんですけど、その間にアフガニスタンからの撤退が失敗したとか、議会では法案が通らないとか、その中で11月2日の選挙がどうなるのかっていうのが注目されていたんですよね」

では、このバージニア州の知事選挙とはどんな選挙なのだろう?

吉崎氏「もともと11月の第1月曜日の次の火曜日に選挙をやるっていうのがアメリカのルールで、去年だったら大統領選挙。来年は中間選挙。で、今年はその間(はざま)だからオフイヤーなんですよね。ところがニューヨーク市長選挙とかこの年のサイクルになってる選挙もいくつかあって、その中のひとつがバージニア州知事選挙。この選挙はいつも半端な年にやるもんだからわりと全体の流れを見るのに適しているんです」

今回、選挙戦を戦ったマコーリフ氏とヤンキン氏のプロフィールとは?

吉崎氏「今回立候補していた民主党のマコーリフさんは、一期前に知事をやっていた元職なんです。バージニア州って変な法律があって、知事の再選を認めない。だからマコーリフさんも前に知事をやった後は、民主党のノーサムさんっていう人が知事をやってて、マコーリフさんはまた出て来て、今度通ったら次は大統領選挙でも狙ってやろうかっていう人なんです。まさか負けるとは思ってなかった。で、3ヵ月ぐらい前までは『共和党のヤンキン?誰それ?』ってぐらいで、ヤンキンさんは政治経験まったく無しの、金融関係の大金持ちなんだけど、そんな人がどうやって勝つのかというと、何とね、やっぱり勝利の方程式があったんですね」

野村アナ「勝利の方程式?何だったんですか?」

吉崎氏「コロナでもない、経済でもない、教育問題だったんです。これはね、なるほど言われてみればなんだけど、コロナでずーっと休みで子供も親も家にいるわけで、親が子供の勉強を見なけりゃいけない。で、見ているうちに『何だ最近の学校は何を教えてるんだ?』という話が出てくるわけなんです。で、ヤンキン候補が目を付けたのは『バージニア州の教育現場では、非常に過激な人種教育をやっている!けしからん』というもので、実態はどこまでそうだったかっていうのは怪しいんですけど、これに対して民主党のマコーリフさんは何て言ったかって言うと『そもそも学校で何を教えるかなんてのは、親が口を出すべきではない』と」

野村アナ「ああ~ちょっとこれは反感買うね」

吉崎氏「これはね、普段であれば正論なんだけども『コロナの時期におまえそれを言うか?』っていうことで致命的な失言になったんですね。人種教育問題など色々あって、これが勝敗を分けたんです」

さらにヤンキン氏がバージニア州で嫌っている人が多いトランプ元大統領を応援に呼ばなかったのも作戦的に成功したと吉崎氏は結論づけた。

バージニア州で共和党の候補が勝利したことで、民主党のバイデン大統領の立場がさらに危うくなりそうだと吉崎氏は予測する。はたして、窮地に陥ったバイデン大統領が巻き返しを図ることは出来るのか?これからのアメリカの情勢に注目していきたい。

「くにまるジャパン極」は平日朝9~13時、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。吉崎達彦氏はコメンテーターとして毎週火曜に登場。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

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