吉崎達彦氏「ロシアのウクライナ侵攻から三週間、アメリカの世論は今?」

吉崎達彦氏「ロシアのウクライナ侵攻から三週間、アメリカの世論は今?」

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ロシアはウクライナ侵攻で中国に軍事支援を求めたと、複数のアメリカ当局者が明らかにした。エコノミストの吉崎達彦氏は3月15日の「くにまるジャパン極」(文化放送)で「ロシアはかなり追い詰められている」と語った。その一方で、現在のアメリカの世論はどんな風にこの事態を受け止めているのか、吉崎氏は詳しく解説した。

野村邦丸アナ「アメリカ国内の世論調査がそろそろ出始めたとのことですが?」

吉崎氏「例えば今日のニューヨークタイムズを見ると、アメリカの有権者の中でウクライナの好感度が非常に上がっているという記事が出ていまして、アメリカ人が味方だと思ってる国で大体トップクラスにあるのがカナダとオーストラリア。二番手集団にあるのが日本とドイツとフランスなんですけど、今見るとウクライナもそのクラスまで急上昇しているんです。で、第三集団が韓国、イスラエル、メキシコみたいな相場観になっています。一方でロシアが強烈に敵認定されている。敵認定はさらに中国、イラン、北朝鮮というところが並ぶんですけど、その中でも今、ロシアが最悪になっています」

次に、ウクライナ戦争そのものについての世論調査では?

吉崎「CBSニュースが3月13日に発表した世論調査がすごく面白い。2月にやった同じCBSの世論調査で、このロシアとウクライナの問題に関してアメリカ国民の一番多数が『Stay Out(関わるな!)』と言ってて、これが53%。次に『Support Ukraine(ウクライナの味方をしろ)』が43%で、結構そうなんだ!巻き込まれたくないんだ!と言う。それが1ヵ月後の今どうなっているか見てみますと『今ロシアに対する制裁に賛成か反対か?』っていうと、

77%が賛成で反対が23%。『ガソリン価格が上がってもそれでもいいのか?』とさらに問うと、やっぱり63%が賛成で36%が反対。で、この調査では民主党支持者も共和党支持者も軒並み賛成が多い。以前は結構党派色が強くて、共和党支持者の方が『Stay Out』が多いというようなことをご紹介したかと思うんですが、わりと今、アメリカの世論はこのウクライナの問題に関してはかなり超党派になってきてるというところが面白いなと感じました」

さらに、もっと具体的にウクライナの問題にどう関与するか聞いてみると

吉崎「こんな設問があります。『ウクライナの上空をNATOが飛行禁止区域にすることに賛成ですか?反対ですか?』と聞くと、59%が賛成。ただ、飛行禁止区域にするっていうことはNATOが制空権を取っちゃうってことだから、軍事的に言うと宣戦布告と一緒なんです。で、『宣戦布告になりますけどそれでもいいですか?』と聞いたら、急に今度は賛成38%、反対が62%という結果になるんです。こういうところが今のアメリカの世論と言うのはかなり動いたけれども、じゃあアメリカが参戦するかというような話になってくると、やっぱりそうではないと」

今度は、バイデン大統領に関する世論について。

吉崎「今のバイデンさんについてどう見るかというと『弱すぎる』が52%、『ちょうどいいくらいだ』が36%、『強すぎる』が12%なんですよね。じゃあ『弱すぎる』と言っている人たちに具体的にどういう手段がいいですか?と聞くと、『より強い経済制裁』が65%、それから『武器弾薬をもっと供給してやれ』が61%。最後に『アメリカ軍が出てゆく』という選択肢を入れると、これが21%でしたね。だからやっぱり『アメリカ参戦せよ』みたいな意見は

相当少数派ですね」

過去の様々な紛争に軍事的に関わって来たアメリカ。世界中にその動向が注目されている中で、国民の意識が大きく変わってきているのがよくわかる世論調査の結果だった。

「くにまるジャパン極」は平日朝9~13時、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。吉崎達彦氏はコメンテーターとして毎週火曜に登場。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

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