伊藤惇夫「憲法改正、核共有、どさくさまぎれで議論すべきでない」

伊藤惇夫「憲法改正、核共有、どさくさまぎれで議論すべきでない」

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3月24日放送の「くにまるジャパン極」(文化放送)で、政治アナリストの伊藤惇夫氏は、「ウクライナ情勢に便乗して、憲法改正や核共有の議論をすべきでない」と話した。

伊藤「最近、気になるのがこういう状況の中で、便乗的な動き、どさくさまぎれの動きが目立ち始めている。国の方向性に大きな影響を与えるような大転換をする時は、どさくさまぎれや便乗商法的なやり方ではダメなんですよね。落ち着いた場で長期的な視点で国民的な議論をきちんと積み上げることが大切だと思います。仮に即座に対処しないとけないような事態に陥った時はその時点で活用できる法律だとかを総動員して対応する。逆に、平時からそういう議論をするのが大事だと思います。そういうのをやらないで、何か起きた時にそうだ! 今だからやらなきゃだめだ! やっちゃえ! というのはちょっと考えものだなという気がします」

伊藤氏が、どさくさまぎれだと指摘するものの1つが憲法改正についてだ。

伊藤「主に自民党の右派的な人やその周辺の人たちから出てる話なんですけど、そういう人たちが主張しているのは緊急事態条項を作らなきゃだめだ。そのためには憲法改正を早急に進めなきゃだめだということ」

そもそも緊急事態条項とは何かというと……

伊藤「例えば自民党の憲法改正草案があるんですけど、その中にこう書いてある。緊急事態の宣言が発せられた時は、法律の定めるところにより、内閣は法律と同一の効力を有する政令を定めることができる。つまり、戦争や内乱あるいは大規模な自然災害が起きた時は、政権が国会を開かなくても自由に権限を行使するような政令を作ることができるということですよね。場合によっては国民の権利、自由を制約することも時の政権の判断で可能になってくる」

これの危うさをナチスを例に説明する。

伊藤「これに似たのがナチスドイツが当時のドイツのワイマール憲法の中にあった受権法。権利を政権が受け取れる法律なんですが、これを利用してナチスがのし上がったというのが歴史上の有名な話。専門家の間でもかなり意見が分かれてます。どうしても必要であれば、落ち着いた段階で国民的な議論をする中でやるかやらないかの判断をすべきだと思ってます。とにかくどさくさまぎれはやめましょうよ。危ないですよ」

野村邦丸アナ「どさくさで何かが変わってしまう。過去の歴史の中でどさくさまぎれで誤った選択を選んじゃったこともありました。日本国内でも気を付けなきゃいけないですよね」

「くにまるジャパン極」は平日朝9~13時、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。伊藤惇夫氏はコメンテーターとして毎週木曜に登場。radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

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