『大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ』 大和ハウスで売り出しが始まった「残価設定型住宅ローン」を解説

『大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ』 大和ハウスで売り出しが始まった「残価設定型住宅ローン」を解説

Share

情報番組「大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ」では、残間里江子さん(フリープロデューサー)と、大垣尚司さん(青山学院大学教授、移住・住みかえ支援機構代表理事)が、お金や住まいの話を中心に、大人世代のあれこれを語ります。

この連載は、番組内の人気コーナー「おとなライフ・アカデミー2022」の内容をもとに大垣さんが執筆した、WEB限定のエッセイ。ラジオと合わせて、読んで得する家とお金の豆知識をお楽しみください。

残価設定型住宅ローンの取り扱いが始まりました

この番組で過去に何回かお話ししてきた「残価設定型住宅ローン」、取扱いがいよいよ始まりました。私が代表理事を務める「移住・住みかえ支援機構」が運営する仕組みを使ったローンです。

今回は「残価設定型住宅ローン」の特徴を基礎からお話ししたいと思います。

★これまで番組で残価設定型住宅ローンを取り上げた際の記事はこちら!

●定年後は10万円のローンが3万円に? 残価設定型住宅ローンの仕組み

●家の「残価ローン」が始まる! でもそれって一体何?

●リ・バース60と残価設定型住宅ローン。新しい住宅ローン二つの特徴を解説

残価設定型住宅ローンとは? ざっくり説明

まずは、残価設定型住宅ローンの説明から。

残価設定型住宅ローンとは、

・住宅売却時にローンが残らないオプション付き
返済負担額を大幅に抑えることができるオプション付き
ローンを借りたまま賃貸に出せる制度を利用可能

という特徴を持った、新しい形の住宅ローンのことです。
売っても損をせず、減収時や住み替え時にも家が「負動産」にならないローンというわけですね。

上記のうち、最初の二つのオプションが利用できるのは、事前に設定した時期(残価設定月)以降。
基本的には、35年でローンを借りた場合、20年目ほどでこのオプションが使えるようになります。

「残価(ざんか)」とは、ローン残高と同じ価格のこと

ちなみに・・・「残価」という言葉の意味についても見てみましょう。

これは、

・ローンの「残」高と同じ「価」格で不動産を買い取る
・売却後、ローンが「残」らない「価」格

という意味で、「残価」という言葉を使っています。

家そのものの残存価値とは必ずしもイコールにならないことが、こだわりポイントです(笑)。

というのも、残存価値がローンの残高より高いこともあるわけですからね。
その場合はオプションをあえて使わず、そのまま市場価格で売却すれば「お釣り」を得ることが可能です。

最初に、残価設定型住宅ローンの特徴として
住宅売却時にローンが残らないオプション」ということを書きましたが、
「残価」はこのオプションのことを言っています。

ローン残高で売却可能だから、子供に負担を残さない

ちなみにこのオプションは、借入人が亡くなられて、ローンと家を相続される方も利用が可能です。

つまり、相続人さんが仮に「家はいらない。親のローンを引き継ぎたくない」と思った場合は、ローンの残高で家を引き取ってもらえるのです。

もちろん、先ほど申し上げた通り、その時点でローンの残高より高く売れるなら、売って返すのは自由ですよ。

親から相続する家って、たしかに資産ではありますが、税金の支払いや家の管理などで、負担が増えることも確かです。

残価設定型住宅ローンなら、この負担を、残された家族側が引き受けるかどうか決められるわけですね。

10万円のローンが、3〜4万円まで減額可能

二つ目の特徴は返済負担額を大幅に抑えることができるオプション。

標準的なモデルケースでいうと、毎月10万円のローンを支払われていた方の場合、
残価設定月にこのオプションを使うことで、多くの場合返済額を3〜4万円程度まで減らすことができます。

なお、よく誤解を受けるのですが、残価設定型住宅ローンで借りる住宅ローンは、通常の住宅ローンと同じものです。

「現役自体に重いローン負担をして、オプション行使後に安くなるよう辻褄を合わせる」というようなローンではありません。

ただ、オプション手数料の5万円程度は追加でかかりますが・・・。

賃貸に出して、その家賃でローンを返済!

三つ目の特徴は、ローンを借りたままでも賃貸に出せること。

通常、個人向けの住宅ローンは、個人が住むことを前提に融資を行います。
そのため、事業として使う(=賃貸に出す)ことは禁止されているのですが、
残価設定型住宅ローンは、JTIのマイホーム借上げ制度を利用して賃貸に出すことが許可されています。

そこで、返済額を圧縮するオプションを使って月返済額を大幅に減らした上で、家を賃貸に出せば、ほとんどの場合に家賃がローンの返済額を上回るため、「家賃でローンを返済する」ことが可能になるのです。

三つの特徴をまとめると・・・

というわけで、三つの特徴をまとめると・・・

売っても、貸しても、死んでも、返済負担が残らないローン、ということですね。

これまで番組で残価設定型住宅ローンを取り上げた際の記事はこちら!

定年後は10万円のローンが3万円に? 残価設定型住宅ローンの仕組み

家の「残価ローン」が始まる! でもそれって一体何?

リ・バース60と残価設定型住宅ローン。新しい住宅ローン二つの特徴を解説

※この記事で掲載されている情報は全て、執筆時における情報を元にご紹介してい
ます。必ず最新の情報をご確認ください。

お知らせ

パーソナリティの一人である大垣尚司さんが代表理事を務める一般社団法人「移住・住みかえ支援機構」(JTI)では、賃貸制度「マイホーム借上げ制度」を運用しています。

住まなくなった皆さまの家をJTIが借り上げて、賃貸として運用。
入居者がいない空室時でも、毎月賃料を受け取ることができます。
JTIは非営利の公的機関であり、運営には国の基金が設定されています。

賃料の査定や、ご相談は無料。資格を持ったスタッフが対応いたします。

制度についての詳しい情報は、移住・住みかえ支援機構のサイトをご覧ください。

Share

関連記事

この記事の番組情報


大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ

大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ

土 6:25~6:50

楽しいセカンドライフを送るためのご提案などがたっぷり! 金融・住宅のプロフェッショナル大垣尚司と、フリープロデューサー残間里江子が 大人の目線でお届けします。…

NOW ON AIR
ページTOPへ