世界で製造業の在庫急増 急速なインフレでスマホ、パソコン需要に伸び悩み

世界で製造業の在庫急増 急速なインフレでスマホ、パソコン需要に伸び悩み

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6月29日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、世界中で製造業の在庫が急増しているというニュースについて、寺島尚正アナウンサーが水曜コメンテーターで経済アナリストの森永康平氏に意見を求める場面があった。

森永氏「しばらくは積み上がっていく局面なのかなと思います」

世界の製造業の在庫が急増している。6月29日付の日本経済新聞によると、主要企業約2300社の今年3月末の在庫は21年12月末と比べておよそ970億ドル(12兆円)増の1兆8696億ドルとなった。増加額と絶対額ともに過去10年で最大という。企業は、コロナ禍からの一部製品の需要急増や供給網の混乱で製品が出荷できないなどの影響から、在庫を積み上げてきた。しかしインフレが急速に進み、景気の減速懸念が強まってきた。特に、コロナ禍で伸びていたスマートフォンやパソコンの需要が伸び悩んでおり、電子機器に大きな影響を受けている。

製造業の今年1~3月期の売上高は、21年の10~12月期に比べて3%減少。世界の上場製造業2349社を対象に3月末の在庫の増加率を調べたところ、21年12月末に比べ5.5%増となり、アメリカと中国の貿易摩擦が警戒された18年3月末の6.1%以来の高水準となった。

このニュースについて、森永氏は「もともと在庫が積み上がってきてはいて、その理由の一つがコロナ禍における供給網の混乱で製品が出荷できず、在庫が積み上がっていたというサプライ側の理由でした。一方で、足元では完成品の在庫も積み上がっていることから、どうやら需要が低いから在庫が積み上がっているということが、徐々にわかってきていると。結局これだけ需要が減っていて在庫が余っていると、各社生産を絞るわけですよね。そうすると、経済自体が縮小していくのかなと思います」と、現状を分析。

業種別で見ると、在庫は製造業12業種すべてで増えており、2021年12月末と比べた増加額のうち電子機器と自動車、機械の3業種で全体の61%を占めた。最も増加したのが電子機器で4570億ドル。昨年末から、267億ドル(6%)増えた。

在庫が増える状況に、森永氏は「しばらくは積み上がっていく局面なのかなと思います。こういうデータが出始めれば出始めるほど、経営者たちは追加の生産に消極的になり、工場で働いている非正規の雇用をやめたりということも起きますので、あまり良い傾向ではないですよね」と懸念を示した。

「おはよう寺ちゃん」は平日朝5~8時、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。 radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

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