節電要請「もうやってる!」 呼びかけなくても「節約で実践」、政府と国民に温度差
政府は全国の家庭や企業を対象とした冬の節電要請を正式決定した。11月2日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)ではこのニュースについて、水曜コメンテーターで経済アナリストの森永康平氏が寺島尚正アナウンサーに意見を述べた。
森永氏「春先から指摘してきたのに…」
冬の節電要請の期間は2022年12月1日〜2023年3月31日。電力の供給余力を示す予備率は最低限必要とされる3%を確保できる見通しではあるものの、安定供給に万全を期すために、室内での重ね着や暖房器具の設定温度を下げるなど、無理のない範囲での協力を求めるという。
このニュースについて、森永氏は「春先からずっと指摘してきたのに、結局冬まで何もせず節電要請かよ、という思いが1つあります」と鋭く指摘する。
さらに、森永氏は「政府があんまり国民生活を理解していないのかなと思うところがあります。お金を持ってる人はそうでもないかもしれませんが、一般的に普通に考えたら物価高ですよね。消費者物価指数ベースで見たら3%程度の物価上昇ですが、実際に内訳を見ていくと、帰属家賃を除いた総合は4%を超えています。生活必需品を品目ごとに見ると5%以上物価高になっているものもあって、それが国民の実感に近いんですよね。一方で、賃金は物価上昇と同じペースで上がっていないので、多くの国民が1年前と比べて生活が苦しいと実感していると思います」と国民の現状を代弁し、政府の呼びかけに対する不信感をあらわにした。
「物価が上昇する中で、みなさん節電するというつもりではなく節約するという意味で無駄な電気を消したり、生活の中で切り詰めていると思うんですよ。そこで『暖房つけないでね。重ね着して対応してくださいね。不要な電気は消してください』と呼びかけたところで、みなさん(すでに節電を)してると思うんですよね。こういう話が出てくるあたりに、多くの国民の生活が苦しいのが見えていないのかなぁと、感じ取れてしまいます」(森永氏)
森永氏に対して、寺島アナも「(すでに節約として)やってるよ! ということですよね」と納得し、共感を示した。
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