大卒内定者が4年ぶり増加 森永康平氏は「いい人材を引き止めるために給料が上がる」好循環に期待

大卒内定者が4年ぶり増加 森永康平氏は「いい人材を引き止めるために給料が上がる」好循環に期待

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日経新聞が実施した2023年度の採用状況調査の結果によると、主要企業の大卒内定者は2022年春の内定者数と比べて5.7%増加した。10月26日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)ではこのニュースについて、水曜コメンテーターで経済アナリストの森永康平氏が寺島尚正アナウンサーに意見を述べた。

「条件が悪ければ転職することがやりやすくなった」

大卒内定者数全体の増加は4年ぶり。コロナ禍からの経済回復や人手不足を受けて、非製造業を中心に採用意欲が高まっている。森永氏は「企業からすれば大変な話ですが、学生からすれば就職活動が比較的楽になったり、選べる選択肢が増えるということで、いい話ですよね」と歓迎した。

内定者が増えた理由としては、採用手控えの反動に加えて、自動車をはじめとする需要回復で採用を増やす動きが広がっていることが挙げられる。また、転職などで若手社員の離職が増えていることも一因だという。これについて森永氏は、この流れがデフレ脱却につながる可能性があると指摘した。

「物価が上がっていることが連日報道されていますが、この悪条件が影響して(より条件のよい職場への)転職をしていくということでしょう。もちろん転職したからといって必ず給料が上がるというわけではないですが、条件が悪いと感じたら転職するということが、昔よりやりやすくなったと思います」(森永氏)

20年ほど前には、日本ではよほどのことがない限り転職はしないし、転職には大きなリスクがあるとされてきた。しかし最近では、転職は特別なことではないという考え方が浸透し、場合によっては若者が就職せず、あるいは退職して起業するケースも増えている。そのような選択肢が増えると、会社はどのような対応が求められるのか。

「転職が簡単にできる状況の中で、いい人材を引き止めようとすると、企業は(人材に対して)それなりに高い給料を払わないといけない。そうすると、物価も上がるし賃金も上がるという、よいスパイラルになる可能性があります」(森永氏)

ただし、このような好循環を生み出すためには、物価だけでなく賃金も上がるような支援策を政府が打ち出す必要がある。森永氏は「それがちゃんと打てれば、ようやく日本もデフレ経済からの脱却が見えてくるのかな」と今後の展開に期待を寄せた。

「おはよう寺ちゃん」は平日朝5~8時、文化放送(AM1134kHz、FM91.6MHz、radiko)で放送中。 radikoのタイムフリー機能では、1週間後まで聴取できます。

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