音声ビジネスがもっと活性化するには #2『浜松町Innovation Culture Cafe』

音声ビジネスがもっと活性化するには #2『浜松町Innovation Culture Cafe』

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スマートフォンの普及もあり、2015年頃から日本でも急速に拡大したYouTuber市場は、2022年には579億円にまで拡大するという予測が出ています。ある調査では、YouTubeの認知度は96.2%であり、利用率は若年層で70~80%・シニアでは40~50%という結果となりました。今や国民的アプリとなっているLINEとほぼ同じ利用率を誇り、小さい子供からお年寄りまで気軽に利用されているのは周知の事実です。

 

今後も動画コンテンツはますます伸びていくと考えられるでしょう。理由の一つは、新型コロナウイルスの影響で長く続く自粛生活やリモートワーク、働き方改革での余暇時間の増加が挙げられます。この新しい生活様式でメディアへの接触時間は大きく増えるでしょう。また3G時代の終焉と5G時代の到来も大きく影響すると考えられます。Wi-Fiのない環境では、通信速度や容量制限を気にして動画を見たくても見られなかったユーザーが多くいます。しかし5Gは「超高速化」「超低遅延」などを特徴としており通信速度は20倍になるとも言われています。容量についても通信各社無制限プランを発表しており、今までの問題点が一気にクリアになるのです。また国内に一定数残るガラケー利用者も、3Gのサービス終了でスマートフォンに変更必須となり、ますますスマートフォン利用人口が増えると予想されます。

 

この通り動画メディアが大きく人気を集める中、音声だけのメディアにも注目が集まっているのです。音声コンテンツは作り手も動画制作に比べ安価で手軽に作ることができます。聴き手も耳だけを傾ければよいので、隙間時間を利用できます。「ながら」利用が楽しめるため、動画コンテンツとは一線を画す存在となります。最近では、音声SNSであるClubhouseが日本でも話題となり、興味を持った方も多いのではないでしょうか。旧来はラジオが音声メディアの代表格でしたが、デジタル音声メディアはインターネットラジオをはじめ、ポッドキャスト、オーディオブック、音声アプリなど、多くのサービスが該当し、大きなチャンスが広がっているのです。そしてそこにビジネスチャンスを求めるのも至極当然の流れとなります。

 

音声広告と聞いてラジオCMをイメージする方も多いと思いますが、デジタル音声メディアに出稿する広告をデジタル音声広告と呼びます。デジタル音声広告の大きな強みは、ユーザーの聴取データ等を分析し、個々にターゲティングできる点にあります。つまりその人の求めている有益な情報をピンポイントに提供することがでるのです。その結果実際に商品やサービスについて調べ、購入をする人が多いという調査結果もあります。2020年のデジタル音声広告市場は16億円の見通しですが、2025年には420億円規模になると予測されています。動画と音声、似て非なる両者の今後が楽しみです。

様々な社会課題や未来予想に対してイノベーションをキーワードに経営学者・入山章栄さんが様々なジャンルのトップランナーたちとディスカッションする番組・文化放送「浜松町Innovation Culture Cafe」4月5日放送分では、‪「音声ビジネスがもっと活性化するには」というテーマでお送りし、『声のサイエンス―あの人の声は、なぜ心を揺さぶるのか』(NHK出版新書/山崎広子 著)をご紹介しました。

 

番組内では、‪ VOOX代表の洪貴花(こう きか)さんと、オトナル代表取締役社長の八木太亮さんにご参加いただき「音声領域でのビジネスモデル」から「音メディアの強みと今後」について熱いトークが繰り広げられました。

音声領域でのビジネスモデル

八木 デジタル音声広告を販売することで収益をあげています。2019年頃はまだ認知されていなかったデジタル音声広告ですが、ここにきて出稿がかなり増えています。無形商材は視覚で訴求できない分、音や声で良さを説明する必要があるため相性が良いです。目ではなく耳に価値を伝えれば良いので、オンライン学習などにも向いています。最近では飲料などの消費財にも広まってきています。

 

 「VOOX」という音声サービスでは、一般リスナーからユーザー課金でのビジネスモデルを考えています。将来的にはスピーカーの方にも還元することを目指し、レベニューシェアを提案していきたいです。ただ、ビジネス書を読むのは日本の人口の1割程度なので、マーケットの小ささは課題です。

音メディアの強みと今後

八木 時間の取り合いではなく、耳の時間はもともと空いているという説があります。通勤時間は視覚が使えるのでスマホ激戦区ですが、耳だけあいている死角時間はまだチャンスがあります。音声は動画の劣化版ではないのです。視覚の使えない時間は意外と長く、生活の隙間に入り込めるメディアなのです。クラブハウスで音声の価値に気づいた人が大きく増えました。きっかけが大事なので、今後必ず伸びていきます!

 

 10分程度の隙間時間であれば無駄にしても良いと考える人も多く、この時間を取りにいきたいと考えています。活字に慣れた日本人は音声で学ぶ感覚が薄いので、この習慣を作って行きたいです。中国では何種類もの事業が成り立っているので、日本にも大きく可能性があります。また、YouTubeに限界を感じ、音ビジネスに流れていく人も多いのではないでしょうか。

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この記事の番組情報


浜松町Innovation Culture Cafe

浜松町Innovation Culture Cafe

月 19:00~19:30

浜松町の路地裏にひっそりと佇むカフェ「浜松町Innovation Culture Cafe」 経営学に詳しいマスターが営むこのお店には、様々なジャンルのクリエ…

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