箱根駅伝「松山がいないことは大きな戦力ダウンになるが・・・」 東洋大学取材後記

箱根駅伝「松山がいないことは大きな戦力ダウンになるが・・・」 東洋大学取材後記

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エース不在。
現在、連続シード継続中のチームの中では最長、17年連続でシード権を確保している東洋大学にとって、この第99回箱根駅伝は試練の大会になるかもしれない。しかし、一方で筆者は今大会は東洋大学にとって大きなターニングポイントになる可能性があると感じた。

共同会見が行われた12月21日、酒井俊幸監督はエース松山和希(3)を故障で欠くことになったことについて「大きな戦力ダウンになる。一方で出雲駅伝、全日本大学駅伝、ともに松山無しでやってきたので、”松山に頼らず自分たちでやるんだ”という覚悟はできている」と話す。

チームに動揺は無い。さらに酒井監督が手ごたえを得ているのは中間層の底上げだ。

前回大会、東洋大学の1万m持ちタイム上位10名の平均は出場21チーム中16番目の28分59秒58。今回はそれを10秒ほど上回る28分49秒93で11番目のタイムだ。もちろん、この平均タイムにエース松山は入っていない。

思い出してもらいたい。1万m持ちタイム上位10名の平均が16番目だった前回大会の東洋大学は往路9位。復路では6区久嶋、7区梅崎が粘り、8区蝦夷森で前との差を詰めると、9区前田が2人を抜き、10区清野が3人抜きで総合順位を4位まで押し上げてフィニッシュテープを切った。復路のタイムは往路復路共に1位で完全優勝を果たした青山学院に次ぐ2位だった。
そして。
前回大会の復路メンバーは卒業した蝦夷森を除き、4人が残っている。

「エースの穴は総合力でカバーする」という酒井監督はさらに「熊崎貴哉(3)、小林亮太(2)、この三大駅伝未経験の2人が最近調子を上げて、メンバーに入ったことは大きい」と話す。

今大会、東洋大学の目標は「総合3位以内」。
酒井監督自身、今大会を「難局になる」と見ているが、「ここを乗り越えることがチームとして非常に大きな力になると信じている」という。筆者は百戦錬磨・酒井監督の言葉に空手形の気配は無いと感じた。

2023年1月3日、最も注目を集めるチームはひょっとすると、この鉄紺かもしれない。

(左から)梅崎蓮(2)、石田洸介(2)、前田義弘主将(4)、柏優吾(4)、酒井俊幸監督
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