『火花』の編集者・浅井茉莉子さんに聞く!芥川賞と直木賞の違いは?平子「M1とキングオブコントくらい違うもの?」

『火花』の編集者・浅井茉莉子さんに聞く!芥川賞と直木賞の違いは?平子「M1とキングオブコントくらい違うもの?」

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1月23日の「おとなりさん」(文化放送)、9時の広場のコーナーでは、1月19日に芥川賞・直木賞の受賞作が決定したということで、「文藝春秋」が発行する文芸誌「文學界」の編集者の浅井茉莉子さんをお迎えして、芥川賞と直木賞の違いについて伺った。

文化放送・坂口愛美アナ「1月9日に、第168回の受賞作が決定。直木賞は、小川哲氏の『地図と拳』と、千早茜氏の『しろがねの葉』に。芥川賞は、佐藤厚志氏の『荒地の家族』と、井戸川射子氏の『この世の喜びよ』。この4作が選ばれました。まず、芥川賞と直木賞は、どんな違いがあるのか?解説していただけますでしょうか?」

浅井「まず、1番の大きな違いは、賞の対象となる作品が違います。分かりやすくするために、直木賞から説明します。直木賞は、単行本化されている小説が対象です。作品の長さはあまり問わないんですけど、長編小説、もしくは連作短編と短編小説が選ばれることが多いです。それに対して芥川賞は、文芸雑誌に掲載された短編〜中編小説が対象です。だいたい80〜200ページくらいのボリュームがあります。」

平子祐希「なんだろう?M1とキングオブコントくらい違います?一種のお笑いというくくりはあるけれども種類が違う」

浅井「そこまでの違いがあるかどうかはかなり作品によって違うところかなと思います」

平子「受け取り方にもよるし、マイク立ててコントやる人いるみたいなことですよね」

坂口「受賞作家さんの違いはありますか?」

浅井「芥川賞は新人作家さんが受賞することが多いですが、直木賞は、中堅作家さんがよく受賞している印象があります」

坂口「作風の違いはありますか?」

浅井「芥川賞は純文学の賞で、直木賞は大衆小説、エンターテイメントが対象になっています」

平子「純文学というのは、ざっくりいうとどういうものですか?」

浅井「説明するのは非常に難しいんですが、言葉にならないものを書こうとしているとか、起承転結のフォーマットにあてはまらない、より自由な小説が純文学になります」

坂口「芥川賞の受賞作品で、浅井さんが印象に残っているものはありますか?」

浅井「2012年に芥川賞を受賞した黒田夏子さんの『abさんご』という作品があるんですが、黒田さんは75歳と史上最高齢で受賞されました。この作品、ひらがなが多く使われていて、しかも日本の小説では珍しい横書きで書かれています。カギカッコの会話もありません。なかなかあらすじが言いにくい小説なので、読んでみてくださいとしか言いようがない作品です」

平子「又吉君の担当編集もされていたそうですが、『火花』が出来上がった時には、これちょっと芥川いけるかもって、よぎりましたか?」

浅井「その時はあまり考えてなかったですね」

坂口「賞を取る方は、狙って書いてる方も多いですか?」

浅井「あんまり、聞いたことないですね」

平子「作家の方々ってあんまり芥川賞狙ってたんですって言わないですよね。みんな、“あっ、取っちゃいましたか?”の雰囲気を大事にするじゃないですか。黒縁眼鏡で、聞き取りづらいくらいの声量で」

坂口「偏見が強いです(笑)」

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